CESで得られた10のこと。2023年は新たなトレンドの入り口に

ラスベガスで開催されたCES

Coresight Researchチームは、2023年1月5日から8日までラスベガスで開催されたConsumer Technology Association(CTA)主催のCES(旧Consumer Electronics Show)に参加しました。

同イベントには、世界中からテクノロジーベンダーやイノベーター、小売業者、関係者が集まり、2023年に注目すべき消費者向けエレクトロニクスの動向をいち早く知ることができました。

近年、CESの対象は電子機器にとどまらず、ヘルスケア、ウェアラブルデバイス、モビリティといった新たな分野にも広がっています。また、今年のCESでは、メタバースにも大きな注目が集まりました。

本記事では、同イベントから得られた洞察やハイライトを紹介します。

1. 小売企業は大きな課題解決のために、RESETに取り組むべきである

Coresight ResearchのCEO兼創設者であるDeborah Weinswig氏は、講演およびパネルディスカッションで、小売業が抱える大きな課題を解決するために、Coresight ResearchのRESETフレームワークが長期的な成功を確保しながら短期的な消費者ニーズに対応する方法を提供することを発表しました。RESETフレームワークは、5つの要素で構成されています。

RESPONSIVE(応答性):小売企業は、加速する節約志向に対応する必要があり、シュリンクやGNFR(非再販商品)といった非中核コストを再考する必要があるでしょう。

ENGAGE(エンゲージング):小売企業は、ブランド構築、体験、技術の統合、サービスを管理し、ライブストリーミングやソーシャルコマースを通じてロイヤルティを構築し、また、実店舗をリニューアルすることで、実店舗とデジタル小売の両方で消費者との関わりを促進することができるでしょう。

SOCIALLY RESPONSIBLE(社会的責任):ブランドや小売企業は、より意識の高い消費者を惹きつけるために、リコマースなどのサステナブルな取り組みを行い、ブランド価値を高めることができるでしょう。サステナビリティの向上は、売上の拡大や利益率の強化につながります。

EXPANSIVE(拡張性):小売企業は、リテールメディアや有料会員制サービス、データ販売など、小売りに関連したサービスを提供することで、新たな収益源を開拓することができます。Coresight Researchの推計では、小売企業の売上10億ドルに対して、メディアや消費者データから100万~500万ドルの収益を上げることができると推定しています。

TECH-ENABLED(テクノロジーの活用):小売企業は、生産性を向上させるために、テクノロジーに対応したソリューションに投資する必要があるでしょう。例えば、処方的分析により、在庫や品揃えの管理改善、顧客サービスの向上、人員配置の最適化、値引きやロスの提言などを行うことができます。

Coresight ResearchのCEO兼創設者Deborah Weinswig氏 出典:Coresight Research

Coresight ResearchのCEO兼創設者Deborah Weinswig氏 出典:Coresight Research

次ページ > 現在は新たなトレンドの入り口

文=RxR Innovation Initiative

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事