CESで得られた10のこと。2023年は新たなトレンドの入り口に

ラスベガスで開催されたCES

9. 特定ユーザーを支援するアダプティブな消費者技術

CESでは、高齢者などの特定のグループを支援するために、アダプティブな、あるいは特別に開発された製品をいくつか目にすることができました。

・L'Oréalは、すでに本レポートでも紹介したように、手先の動きが不自由な人のための携帯型スマートメイクアップアプリケーター「HAPTA」を展示しました。本商品は、マグネット式で360度回転、180度屈曲が可能で、ロック機能により使用中は定位置に固定が可能です。

・PresageのEヘルスシステムは、高齢者をサポートするサービスを提供することで、自律神経の失調や病院への入院を減らし、AIにより緊急事態を未然に防ぐための予測アラートや、患者の予後を良好に保つための個別予防計画を提供します。

・日本貿易振興機構(JETRO)は、CES 2023で36社の日本のスタートアップ企業を紹介しました。その中で、ShowStoppers Launchitに展示されたイノベーターは、難聴者がテレビの台詞を聞き取りやすくする曲面スピーカー「SoundFun」でした。

・Sonyは、CESでアダプティブゲーミングコントローラを発表したものの、ブースにはモデルの展示がありませんでした。

・最後に、米国FDA(食品医薬品局)がイヤホンや補聴器の市場を開放したことで、価格が4桁台後半の医療用機器の3分の1程度の製品を多数見かけました。
 
補聴器「Eargo」  出典:Coresight Research

補聴器「Eargo」 出典:Coresight Research

10. “きれいな空気”が製品のメインテーマとして浮上

新旧さまざまなウィルス感染症が流行する中、室内の空気環境に対する消費者の関心が高まっていることは当然のことといえるでしょう。そのため、室内空気のモニタリングや空気清浄、空気感染予防のためのさまざまなデバイスが開発されています。

・Airthingsは、空気を分析し、ラドンやPM2.5などの粒子状物質、二酸化炭素などを監視する、室内空気品質監視用のデバイスを提供しています。

・AIRXÔM は、呼吸器感染からユーザーを積極的に守るフェイスマスクの進化版で、新型コロナウィルス、インフルエンザ、風邪、カビや花粉などのウィルスや細菌に効果があります。

・Neoplantのバイオテクノロジーによる植物は、室内の空気を浄化し、大気汚染対策に有効です。同社の植物は、従来の植物のように空気中の汚染物質を蓄積するのではなく、再利用します。同社によると、Neoplant1個で観葉植物30個分の効果があるとしています。

・Respirayは、薬剤を使用せずに、ペットのフケ、花粉、ホコリ、カビなど空気中のアレルゲンによって引き起こされるアレルギー症状を和らげる、装着型のデバイスを製造しています。2023年1月末に発売予定の同社のデバイスは、充電式で、HEPA技術を活用した交換可能なフィルターを搭載しているのが特徴です。
 
Neoplantsの植物は空気の質を高める 出典:Coresight Research

Neoplantsの植物は空気の質を高める 出典:Coresight Research


※この記事は、2023年1月にリリースされたRxR Innovation Initiativeからの転載です。 

文=RxR Innovation Initiative

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