アマゾンの熱帯雨林の3分の1以上が「劣化」したことが判明

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アマゾンの熱帯雨林の3分の1以上が人間の活動によって劣化していることが、1月26日にサイエンスに掲載された研究結果で示された。科学者は、この地域の森林破壊が以前を上回るペースで進んでいると述べている。

研究チームは、2001年から2008年にかけての衛星画像などのデータを解析した結果、アマゾンの森林の38%が何らかの形の人為的被害を受けていると推定した。

ここで言う劣化は、森林の破壊とは異なり、森林の状態の長期的な変化が生態系にダメージを与え、森林伐採によるものよりも多くのCO2排出をもたらすと研究者らは指摘している。森林の劣化を引き起こす主な原因としては、森林火災や違法な伐採、極度の干ばつ、伐採地に隣接する森林の変化などの4つが挙げられるという。

研究チームは、森林の劣化に対抗するため、違法伐採や火気の使用を監視するシステムの導入を提案している。彼らはまた、森林の劣化の社会経済的影響をより深く理解するために、さらなる調査が必要であると述べ、「劣化プロセスから利益を得ている人はいない」と述べている。

研究チームによると、2019年までに伐採された熱帯雨林の面積は86万7000平方キロメートルに及び、全体の14%がすでに失われたという。

南米大陸の約670万平方キロメートルに広がるアマゾンの熱帯雨林を再生する取り組みは、近年加速している。世界自然保護基金(WWF)によると、この地域には推定760億トンの炭素が貯蔵され、樹木は1日に約200億トンの水を大気中に放出しており、地球の炭素と水の循環に重要な役割を担っている。

昨年末のブラジル大統領選挙で当選したルーラ大統領は、2030年までにこの地域のすべての森林破壊を終わらせることを公約した。ブラジルは、2025年に国連の気候会議を開催する予定だ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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