飲酒運転を防ぐアルコール・インターロック装置の効果、命を救い人生を変える

運転前、アルコール・インターロック装置に息を吹き込む(Getty Images)

欧州連合(EU) では、業務用車両にアルコール・インターロックを標準装備し、より多くの国で飲酒運転犯罪者に対するアルコール・インターロックリハビリテーションプログラムを導入するよう求めているという。


これは欧州だけの問題ではない。米国では飲酒運転は交通事故死者全体の約3分の1の要因となっている。各州の高速道路安全局を代表する非営利団体「州知事高速道路安全協会」(GHSA)によると、2020年には飲酒運転による衝突事故で1万1654人が死亡したという(平均すると45分に1人)。

ユタ州を除くすべての州で、血中アルコール濃度(BAC)が0.08%以上での運転は犯罪と定義されていると述べている。なおユタ州では、数年前に法律が改正され、違法濃度は0.05%に設定された。

保険業界が出資する非営利団体、米国道路安全保険協会によると、BAC 0.08%以上のドライバーをすべて道路から排除できれば、毎年事故死の4分の1を防ぐことができるという。協会は「インターロックを義務づけると再犯が減ります」と述べていて「すべての飲酒運転違反者にインターロックを義務づける法律の制定は、アルコールが絡んだ事故を減らします」という。

ほとんどの州は、飲酒運転の前科がある人に何らかのかたちでのアルコール・インターロックを義務づけているが、具体的な法律は州によって異なる。ただし、7つの州(インディアナ、モンタナ、ネバダ、ノースダコタ、ロードアイランド、サウスダコタ、ウィスコンシン)にはインターロックの義務がない。

映画を観るには、こちらをクリック。欧州のアルコール・インターロック・プログラムについてはこちらをクリック。米国での機器の状況についてはこちらをクリック。

(日本版編集部:日本でのアルコール・インターロック法制化の動き、国土交通省「アルコール・インターロック装置に関する検討会」)

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

ForbesBrandVoice

人気記事