「2022年にロシアの侵攻によって、欧州のエネルギー供給が滞った結果、輸入化石燃料への過度な依存によって、私たちがどれほど無防備になりうるかが明らかになった」とダンは述べた。
ダンはさらに、同委員会は「本格的な改革を推し進める」ための明確な提言をいくつも盛り込んだと述べた。「政府が速やかに行動し、それらの提言を実行することを期待している」
英シンクタンク、グリーン・アライアンス(Green Alliance)の政策アナリスト、ヘザー・プランプトン(Heather Plumpton)は、政府は「あらゆる措置を講じて」、英国を化石燃料から脱却させるべきだと述べている。
プランプトンの考えでは、住宅の断熱性の向上、風力発電や太陽光発電といった再生可能エネルギーの展開、石油・ガスへの依存脱却に向けた取り組みの強化はどれも、エネルギーの安定供給を改善させ、家庭の光熱費を減らし、二酸化炭素の排出を削減するうえで急務だ。
「エネルギーにかかる費用を永遠に削減したいなら、英国政府は委員会の提言を真剣に受け止めるべきだ」とプランプトンは述べた。
国際環境NGO「地球の友(Friends of the Earth)」の科学・政策・研究部門を統括するマイク・チャイルズ(Mike Childs)は、英国は早急に、一般住宅の断熱性向上プログラムを開始する必要があり、最も困窮している地区からプログラムに着手すべきだと述べた。
チャイルズによれば、英国政府による「熱損失防止のための住宅改修への取り組みがあまりにもお粗末であること」については、かねてから非難の声が上がっているという。今回の委員会の呼びかけは、そうした声に続く最新のものだ。
野党労働党「影の内閣」の気候変動・ネットゼロ担当大臣エド・ミリバンド(Ed Miliband)は、無数の労働者と年金生活者が、高い光熱費を払いながら、すきま風の吹く寒い住宅に暮らしていると述べた。また、政府の先ごろの発表では新たな支援策がまったく示されず、多くの人にとっては、この冬を乗り切るための支援が「あまりにも少ないし遅すぎる」と続けた。
(forbes.com 原文)