グッチやウォルマート、メタバースを利益につなげる企業戦略

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メタバース展開は、実店舗にとって何を意味するか?

仮想現実、拡張現実、メタバースのポテンシャルがどうであれ、消費者が完全に実店舗を見限るとは考えにくい。モーニングコンサルトの報道によれば、ほとんどの人(調査回答者の67%)は、依然として実店舗での買い物を楽しんでいる。利便性、人とのやりとり、商品比較といった利点を重視してのことだ。

とはいえ、実店舗の小売店においても、メタバースが果たすべき役割はある。実店舗にこうしたチャネルをうまく統合する際に重要なことは、シームレスな統合と、オンラインおよびオフラインの体験をうまく融合させることだ、とマッキンゼーは指摘する。

こうした目標が達成できれば、小売店やブランドは、以下のような強みを得られる。

新たな形式のデータ:没入的な仮想店舗からのインサイトは、新たな行動トレンドやデータポイントを反映しており、小売店やブランドは、これを顧客行動の将来予測に利用できる。このことは、グーグルがマーケティングにおけるCookieの利用を段階的に廃止すると宣言している2024年以降、さらに価値を増すだろう。

不動産コストの削減:実店舗が消滅することはないにしても、メタバースによって、必要な実店舗の数を抑えることができる。また、小規模な店舗にも高い機能性をもたせることができる。

市場構築:メタバースに国境はない。小売店やブランドは、バーチャルの店舗を建てるだけでなく、グローバルなコミュニティを育てることもできる。ナイキがロブロックス上に開設したナイキランドは、最初の5カ月間で、224の国と地域から670万人のユーザーを集めたと、ザ・ドラムは報じている。

メタバースは投資に値するだろうか? 2兆6000万ドルという消費額の予測が当たらずといえども遠からずだとしたら、試してみる価値はある。ただし、バーチャル体験を現実の利益に変えるには、高度な実装が必要であり、参入する前に一部の社員に経験を積ませる必要がある。

小売店とブランドはまた、分析チームに優秀な人材を揃え、現実に根ざした展開を進めていくべきだろう。

forbes.com 原文

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