新規格「Matter」に対応。HomePodがスマートホームの司令塔に
アップルのほか、Amazon(アマゾン)やGoogle(グーグル)などITテクノロジーの企業が数多く集まって立ち上げた無線通信規格標準化団体「CSA(Connectivity Standards Alliance)」による、スマートホームの新たな共通規格Matter(マター)が2023年から本格的に動き出しそうだ。規格の違いによる垣根が取り払われ、Matterに対応するスマートホームデバイスのより大きなエコシステムが生まれる。Matterの始動に合わせて、アップルはスマートホームのコントローラーとして機能するHomePodシリーズを急ぎ拡充する必要があった。これが筆者の考える「大きなHomePod」が復活した2つめの理由だ。Matter対応のスマートデバイスには照明器具、ドアベルやセキュリティカメラ、その他さまざまなセンシングデバイスなどが揃うと見られている。今日の取材時点でまだ実機を試せていないが、セットアップや操作方法はアップルのHomeKitに対応するスマートアクセサリーから大きく変わらず、ユーザーはシンプルに扱えそうだ。
京都に拠点を構える日本のスタートアップであるmui Labが昨年11月に同社のスマートホームインターフェース「muiボード」の次世代機をいち早くMatterに対応させることを発表した。HomePodとどのように連携できるのか詳細の発表が楽しみだ
第2世代のHomePodには温湿度センサーが内蔵され、設置した室内の温度・湿度の環境が測定できる。春以降に予定するソフトウェアアップデートにより、煙や一酸化炭素の発生を知らせる警報音を、HomePodの内蔵マイクが検知してユーザーのデバイスに通知を知らせる「サウンド認識」の機能も追加を予定している。
HomePodの温湿度センサーを活用すると、ホームネットワークにつながるスマート機能搭載のエアコンや除湿機などの家電が、センサーの情報を受けて自動で室内の温湿度を調整する機能も使えるようになる。もはや、ユーザーがモバイルアプリや音声を使ってスマート家電を操作する必要もない。これからはユーザーの生活空間を「勝手に」最適化したり、電気代を節約してくれるスマートホームデバイスに期待が集まるだろう。
アップルがグーグル、アマゾンなどのライバルと切磋琢磨しながらスマートホーム市場で成功するためにHomePodシリーズは重要な役割を担っている。もしかすると、これからHomePodシリーズのスマートディスプレイなど新製品の投入が控えているのかもしれない。
連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
過去記事はこちら>>