GMが内燃エンジン生産に1300億円追加投入へ

GMフリント工場の生産ライン(画像:Getty Images)

内燃エンジンを見捨てることはまだできない。ゼネラルモーターズ(GM)は、2035年までに全車両をバッテリー駆動にするという目標を掲げているが、それにも関わらず新しい内燃エンジンの製造に関連した約10億ドル(約1300億円)の新規製造投資を米国時間1月20日に発表した。

GMはミシガン州フリント、ミシガン州ベイシティ、ニューヨーク州ロチェスター、オハイオ州ディファイアンスの米国内4工場に9億1800万ドル(約1190億円)を投資すると発表した。このうち8億5400万ドル(約1110億円)は、第6世代のスモールブロックV8エンジンを生産するための準備費用として4つの工場に投じられる。残りの6400万ドル(約80億円)は、ロチェスターとディファイアンスの工場で、EV生産をサポートするための鋳造品や部品に充てられるとGMは発表している。

GMのグローバルマニュファクチャリング&サステイナビリティ担当ジェラルド・ジョンソン上級副社長は「本日、私たちは、業界をリードするフルサイズピックアップとSUVのラインナップを強化に向けて、GMの第6世代スモールブロックV8エンジンを製造するために、米国内の4つの施設の準備を整える重要な投資を発表します」との声明を発表した。また「ロチェスターとディファイアンスのチームは、全電動化への変革も同時にリードしています」とジョンソンは付け加えた。「内燃エンジン車と電気自動車の両方に対応する部品を製造できる柔軟性が、当社の製造チームがどこにも負けない理由を示しているのです」

GMにとって、内燃機関を強化するための今回の追加投資は、ピックアップトラックとSUVの新ラインをサポートすることを目的としている。これらはGMの主要な収益源であり、同社が将来開発するバッテリー式電気自動車やトラックの開発に使える現金と資本を提供するものだ。

工場投資の内訳は以下のとおりだ。

フリント・エンジン工場:5億7900万ドル(約750億円)を投じて、GMの第6世代スモールブロックV8ガソリンエンジンの組み立てと関連するブロック、クランク、ヘッドの加工を行う工場を建設。この施設での作業はすぐに開始される予定だ。フリント工場は、施設の改修中も3.0Lターボディーゼルの生産を継続する。GMの3.0Lディーゼルは、小型トラックのさまざまな用途に使用されている
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翻訳=酒匂寛

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