ウェイフェアは20日、世界の従業員の10%にあたる約1750人を削減すると発表し、株価を22%以上も急騰させた。アルファベットも20日に1万2000人の削減を発表して株価を5%近く上昇させ、時価総額を500億ドル(約6.5兆円)以上も増加させた。
ウェブドッシュ証券のアナリストのダン・アイブスは20日、テック業界がコスト削減モードに移行する中で、さらなるレイオフが決算シーズンを通じた主要テーマになると予想した。
彼は、ハイテクセクターの人員削減が低迷する株価を安定させるための「最初の大きなステップ」だと指摘し、その例としてメタが11月に1万1000人以上の削減を発表して以降、株価が約50%急騰したことを挙げた。アイブスは、ハイテク株全体が今年中に約20%急騰すると予測している。
オアンダのアナリストのエドワード・モヤは、レイオフというテーマが1年を通じて他のセクターにも広がると予想した。銀行大手のキャピタル・ワンも19日に1100人のテック人材の削減を発表し、翌日に株価を4%以上上昇させた。
大手企業は昨年10万人以上の雇用を削減したが、ここ数週間で解雇はさらに激化している。「大量のレイオフが発表されれば、賃金の上昇圧力はなくなる」とモヤは説明し、このトレンドが年末までにインフレ率を連邦準備理事会(FRB)の目標値まで押し戻すはずだと指摘した。
23日以降には、テスラやマイクロソフト、IBMなど多くのテクノロジー企業の決算発表が予定されており、1カ月以上にわたり決算シーズンが続くことになる。大規模な人員削減の発表が続くと予想される中、バンク・オブ・アメリカのエコノミストは17日、失業率が現状の3.5%から5.1%に上昇すると顧客に伝え、250万人以上の米国人が職を失う可能性を示唆した。
ウェイフェアの株価は、20日に大幅な上昇を記録して以降も、2021年の史上最高値から86%という驚異的な下げ幅を記録している。メタの株価も2021年のピーク時との比較では約64%の下落となっている。
(forbes.com 原文)