同社は新型コロナウイルス感染症の流行が収束に向かいつつあった2022年3月、ブランド向け小売プラットフォームを提供するリープ(Leap)と提携してカリフォルニア州ニューポートビーチに初店舗をオープンさせた。これ以降は、首都ワシントンやボストン、サンフランシスコ、ウォールナットクリーク、スコッツデール、シカゴなどに店舗が構えられ、最近ではフィラデルフィアにも進出している。
米下着市場はこれまで、ヴィクトリアズ・シークレットとアメリカン・イーグル・アウトフィッターズ傘下エアリー(Aerie)が支配的だったが、ここにきてサードラブの人気が高まっている。その理由はおそらく、ブラのサイズに関する同社独自のアプローチにあるだろう。同社は先日からこの手法を実店舗にも導入し、有力ブラ企業と店舗レベルで競っている。
商品に関する説明とフィット感を重視
サードラブ共同創業者のハイディ・ザック最高経営責任者(CEO)は「当社で下着合わせを担当するスタイリストは全員、ブラのサイズ合わせの問題について理解するため徹底的な指導を受ける。サイズの問題は、女性が自分に合った商品を見つける上で頻繁に直面する障壁だ」と述べた。ハイディによると、自分に本当に合っているサイズが着用しているものと異なるケースは60〜70%だ。フィット担当スタイリストへの相談方法として最もよく利用されているのは、同社ウェブサイトのチャットだ。それを踏まえると、同水準のサービスを対面でも提供することは理にかなっていた。
サードラブ店舗では、さまざまなスタイルを60以上のサイズで展開しているため、事前の知識なくふらりと立ち寄った一般的な客は驚いてしまうだろう。より複雑な商品提供を行えば、顧客が自分に合ったサイズを見つけられる可能性は高まるが、一方で質の高い顧客サービスが求められる。
サードラブのコンセプトは、メンズアパレルのボノボス(Bonobos)と似ている。ボノボスはズボンを100サイズ近く取りそろえ、自分に合ったサイズを探す方法が多くの店舗で伝授されている。