映画

2023.01.22

「パラサイト」の2人が再び共演 韓国映画の実力「パーフェクト・ドライバー」

「パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女」(c) 2022 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & M PICTURES. All Rights Reserved

とにかく、冒頭から繰り広げられる華麗なカーアクションに目を奪われる。主人公は旧式のBMW5シリーズを駆って、夜の街を究極のドライビングテクニックで逃げまくるのだ。

卓抜なアクセルワークや小気味よいスピンターンはもちろん、約4分30秒にわたるカーチェイスのシーンでは、スピーディーかつ丁寧に細かなカットが積み重ねられ、いきなり作品の世界へと引き込まれる。

特に車幅ぎりぎりの狭い路地を勢いよく走り抜けるシーンや、列車と並走しながら、踏切を利用して追手から危機一髪で逃げ切る場面などは、観ていてかなりスリリングだ。

映画「パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女」は、これらの息を呑むカーチェイスのシーンが随所に織り込まれた、出色のアクション作品だ。しかも、車を自らの分身のように操るのは、わけありの過去を持つ女性ドライバー。物語では、彼女はいきがかりで「バディ」となった少年とともに、壮絶なバトルを展開していく。

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列車すれすれで踏切を渡るシーン (c) 2022 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & M PICTURES. All Rights Reserved

「パラサイト」の2人が再共演

韓国プサンの港に臨むペッカン産業は、表向きは廃車処理場を経営しているが、裏稼業として郵便や宅配で送ることのできない危ない荷物を運ぶ「特送」も請け負っていた。チャン・ウナ(パク・ソダム)は、廃車処理場の中古車で「特送」を担当する凄腕のドライバーで、そのテクニックには社長のペク・カンチョル(キム・ウィソン)も一目置いていた。

ウナは社長から、ソウルまで行き、元プロ野球選手で野球賭博の仲介役のキム・ドゥシク(ヨン・ウジン)と息子のソウォン(チョン・ヒョンジュン)を「特送」するよう頼まれる。ドゥシクは賭博が発覚して指名手配されたため、息子と一緒に海外逃亡をはかろうとしていたのだ。

ウナの迎えを待つドゥシクとソウォン父子だったが、彼らの前に違法賭博の元締めチョ・ギョンピル(ソン・セビョク)たちが現れる。追い詰められたドゥシクは、手持ちの現金と300億ウォンが入った貸金庫の鍵を息子に託して逃がし、ギョンピルたちに立ち向かう。

1人で集合地点にやってきたソウォンを見て、ウナは今回の「特送」を中止しようとする。しかし背後から追っ手も迫り、救けを求めてドアを叩く少年を目の前にして、ウナはとりあえず彼を乗せて車をスタートさせる。

すると貸金庫の鍵を探しているギョンピルたちの車が、ウナの車の前に立ち塞がる。しかし、父親ドゥシクの死を覚悟した行動によって、その場から逃げることに成功する。

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文=稲垣伸寿

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