簡略化は重要なコミュニケーションツール
ペプシコのインドラ・ヌーイ前最高経営責任者（CEO）は、登録制教育サイト「マスタークラス（MasterClass）」で新たに配信したオンライン講座で、次のように述べている。「複雑なことを簡略化することは非常に重要なコミュニケーションツールの一つだ。人々の心に触れるようなシンプルなメッセージは、頭を使うが全く意味が分からないような複雑なメッセージよりも良い」
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ヌーイは、エール大学経営大学院に在学中、その大切さを苦い経験から身をもって学んだという。2年生への進級のために必要だった口頭・文書コミュニケーションの授業の単位取得に失敗し、再履修しなければならなかった。落第の理由は、「議論が複雑過ぎた」ことだったという。
「エール大では、メッセージを簡略化することを教えられた。全ての根拠を示してから結論に達する『演繹（えんえき）的』な思考ではなく、『私が思う答えはこれ。なぜなら……』というような『帰納的』な思考から始めること。自分がどの方向に向かっているのかを知らせる必要がある」
ヌーイは、複雑な情報を簡略化し効果的に伝える能力がペプシコ社内で強みとなり、昇進につながったと述べている。簡単な話し方が、社内全体で知られる自分の強みである「尻ポケットスキル」になったと説明している。上司やCEOが、山のようなデータを分析してその意味を理解し、それを簡潔かつ明確に伝えられる人を探していたとき、すぐにヌーイに白羽の矢が立った。
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ヌーイは「コミュニケーションスキルへの投資には、やり過ぎということがない」と述べている。パブリックスピーキングやコミュニケーションのスキル向上への投資は重要だが、その対象は最も大きな利益が得られる分野に集中させること。
コミュニケーションとリーダーシップのスキルは、競争性が増す現代の職場で成功を収める上で非常に重要だ。上司や同僚、チームメート、顧客は毎日、大量のデータや情報に囲まれている。コミュニケーションの達人は、そうした雑音をかいくぐって、情報に優先順位をつけ、複雑なことを実行可能な知識へと変えることができる。
簡略化できる人はどこでも求められており、あなたがその人になれるかもしれない。これをあなたの「尻ポケットスキル」にすれば、周囲と差をつけることができるだろう。
（forbes.com 原文）
