18-19歳でも2割が資産運用を経験、FXや仮想通貨も対象に

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岸田首相は昨年末、東京証券取引所の大納会で「来年を資産所得倍増プラン元年として、貯蓄から投資へのシフトを大胆、抜本的に進めていく」と発言。政府は投資による個人の資産形成を促しているが、実際、国民はどの程度、投資を行っているだろうか。

伸びない給与、物価高と、厳しい懐事情から「なかなか投資に回すお金がない」という現役世代は多いだろう。しかし20歳未満の若年層では、すでに投資を始めている人が珍しくないようだ。

仮想通貨取引所の運営を手がけるビットバンクは、2022年 4 月の成人年齢引き下げにより、保護者の同意なく投資を始められるようになった18~19歳496名を対象に投資の実態調査を実施。

成人年齢の引き下げに伴い、実際に資産運用や投資を始めたかを聞いたところ、「はい」と答えた人の割合が23.4%に上った。

成人年齢の引き下げに伴って、実際に資産運用や投資を始めたか

投資した金融商品については、約半数が「株式」を挙げ、次いで「定期預金」(32.8%)、「FX」(29.3%)、「仮想通貨」(25.9%)という結果に。

投資した金融商品は何か


投資を始めた理由としては、「お金が増えそうだから」が最多で5割強となり、「面白そうだから」(26.7%)が続いた。さらに「円安だから」という、為替や経済の動きを踏まえた上で投資を行っていることが分かる回答も2割存在した(2つまで選択可)。

実際に資産運用や投資に充てた金額を尋ねると、「1万円未満」が最多で27.6%。次いで「1~3万円未満」(23.3%)、「3~10万円」(20.7%)となり、10万円未満が7割以上を占める結果に。一方で、10万円以上と答えた人の割合は、2割にとどまった。

18歳といえばまだ高校生だが、2022年度から高校家庭科の授業では投資や資産形成を含めた金融経済教育が必修化され、高校生が投資を学ぶことは当たり前になった。

こうしてみるとまだ18歳、19歳の彼らが投資した額は、その上の世代に比べて少ないのかもしれない。しかし10代から投資を始めていれば、超長期での投資ができるため、時間分散でリスクを抑えながら、複利効果を生かして今の現役世代より大きな資産を形成できる可能性がある。

今後も高齢化によって社会保障費は膨らみ、将来世代への負担は増え続けることが予想されているが、今の18歳、19歳の老後は、現役世代より明るいものになるのかもしれない。いや、ぜひそうあってほしいものだ。

文 = 大柏真佑実

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