そんな中、2023年にコロナとどう付き合っていくのか、キャリアや就職・転職に関する研究調査を行う「Job総研」が、20~50代の社会人の男女733人を対象に意識調査を実施。
2023年の新型コロナウィルスへの危機感について聞くと、危機感が弱いと答えた人の割合が、「やや危機感が弱い」(45%)「とても危機感が弱い」(10.4%)「危機感が弱い」(23.3%)を合わせて、約8割に上った。
コロナ禍に突入したばかりの2020年と比較すると、「危機感が強い」の回答が44.8ポイント減少する反面、「危機感は弱い」の回答が22.2ポイント増加。新型コロナウィルスへの危機感が、大幅に弱まっていることが分かる。
2023年の感染対策については、「対策意識が弱い」とした人が、6割超に(「やや対策意識が弱い」44.2%、「とても対策意識が弱い」5%、「対策意識が弱い」15%を合算)。具体的な予防策としては、「手洗いうがい」が8割近くを占め、次いで「隙間なくマスク着用」(49.4%)、「こまめな換気」(35.1%)が並んだ。
さらに、マスク着用意識については、「着用意識が強い」派の人が、「着用意識が強い」(23.3%)「とても着用意識が強い」(16.2%)「やや着用意識が強い」(19.3%)と足して約6割に。
マスクの着用行動については、最多が「屋内外問わず着用する」で約4割を占め、「屋内のみ着用」(32.5%)、「3密時のみ着用」(13.9%)が続いた。「基本的に着用しない」と答えた人は、わずか5.4%だった。
調査対象者からは、「コロナ禍で手洗い・うがいの意識が強くなってマスクも習慣化したのは良いことだと思う」「危機感は薄れたけど、マスクをしていないことの方が違和感があるので、これからも着用する」などというコメントが。マスクの着用が当然になり、習慣化している現状を良しとする意見が散見された。
政府は新型コロナウィルス対策のマスク着用について、「屋外では季節を問わず、マスクの着用は原則不要」「屋内では距離が確保でき、会話をほとんど行わない場合をのぞき、マスクを着用する」としている。
しかし実際に街を見渡すと、屋外でもマスクを外さずに過ごしている人が大半を占める。その中には感染対策の目的以外に、マナーや習慣として、そして見えない同調圧力を感じてマスクで顔を覆っている人が少なくないだろう。
日本人は一体、いつまでマスク着用をし続けるのか。5年後、10年後、写真に映った自分や家族の写真のほとんどが、マスク姿だったことに気づいて少し残念な気持ちになる……などという事態は、できれば避けたいものだ。