ChatGPTを用いた「ロマンス詐欺」が増加の兆し、専門家が警告

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「新たな規制」が必要になる


ChatGPTが生成したコードは、現状ではかなり単純なものだが、チェック・ポイントは、サイバー犯罪者たちがより洗練されたコードに仕上げるための方法を見つけるのは、時間の問題だと述べている。

米国のセキュリティ企業Forescoutのリック・ファーガソンは、現在のChatGPTは、アイルランドの国民医療システムへの侵害で知られるContiなどの主要なランサムウェアほどの複雑なコードを生成できるようには思えないと述べている。しかし、オープンAIのツールは、シンプルではあるが同様の効果を持つマルウェアを生成可能で、初心者がこの市場に参入する際の障壁を低くするという。

ファーガソンはまた、ユーザーを騙して情報を共有させる悪質なウェブサイトの構築にもChatGPTが使われる危険性があると述べている。「チャットボットは、悪意のあるサイトの作成やパーソナライズ、高度にターゲット化されたフィッシングのオペレーションを支援する目的でも利用可能だ」と彼は指摘した。

一方、チェック・ポイントの調査担当者のセルゲイ・シケビッチは、英語が得意でないロシアのハッカーが、もっともらしい詐欺のメールを作成する上でも、ChatGPTは「素晴らしいツール」になると述べている。

シケビッチは、ChatGPTの悪用を防ぐために、最終的には規制の強化が必要になると述べている。オープンAIは、悪質なツールの生成を防止するために、いくつかの施策をとっているが、ハッカーはこれを回避する方法を見出している。この分野の企業は将来的に、自社のツールの悪用を防止するための施策の導入を、法的に強制されることになるかもしれない。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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