住宅や商業施設の修復・維持管理・改装を手掛ける30以上のブランドを展開するネイバリーは9月、米ビジネス誌インクが米国で急成長を遂げる非公開会社を順位付けしたランキング「Inc. 5000」2022年版に4年連続で選出された。
ネイバリーの成功と急成長は、ホームサービス業界全般で続くブームを象徴するものだ。ホスピタリティーや小売などのフランチャイズは新型コロナウイルス流行のあおりを受け、さらに今後予想される景気後退がもたらす苦境に備える一方、ホームサービスのフランチャイズ企業は中核サービスとフランチャイズの両方で需要が増えていると報告している。なぜだろうか?
まず、ホームサービスとは、顧客がスキルや経験、機材不足により自分ではできない大きな「ペインポイント(悩み)」の解決を請け負うものだ。配管や電気系統、大型家電の修理など、ホームサービス企業は家にまつわる緊急事態が起きたときに頼りにできる存在となる。必要不可欠ではない「ぜいたく」なサービスである掃除や芝生の手入れなどについても、仕事などで忙しいために業者を雇いたい人は常に存在する。
また、マイホーム所有者の大半にとって家は最大の資産であり、そうした人は家の維持管理と価値向上を望んでいる。米国ではローンを組む費用が上昇しており、人々は新しい家に引っ越すのではなく、現在の家の改善に投資している。その際にも、大掛かりな修理や改装をするスキルや経験がなく、業者を雇う必要がある人は多い。
さらに、人は経済難にあると一般的に、新しいものを買うのではなく、今あるものを修理するなどしてその場をしのごうとする傾向がある。コロナ禍で人々が外出しないようになり、自宅の家電や機器が通常以上に使用されたため故障につながったことで、修理ビジネスは大盛況となっている。
フランチャイズ加盟者側にとっては、ホームサービス分野は魅力的かつ低リスクの機会となり得る。フランチャイズの新規加盟が急減している分野もある中で、ホームサービスは今後2年で予期されている不況の嵐を切り抜けられるかもしれない。
「景気後退への完全耐性」がある業界など存在しないが、ホームサービス業界はコロナ流行以後の業績をみると、「景気後退に強い」と言えるかもしれない。そうであれば、ホームサービスのフランチャイズブランドはネイバリーのように、2023年以降も継続的な成長が見込めそうだ。
(forbes.com 原文)