キャリア・教育

2023.01.02 10:30

交渉の障壁を乗り越えるための3つのポイント


そうすることで多くの交渉者が、膨大な価値を失っているとワイスは考えている。とはいえ、難しい話し合いのさなかには、双方とも守りの姿勢に入ってしまうものだ。これでは簡単に行き詰まってしまい、どちらかが改善策を模索することも難しくなる。

ワイスは解決策として、2つのことを推奨している。1つ目は、相手を脅威や競争相手ではなく、共通の問題を解決するパートナーとして見ることだ。そして2つ目は、「合意した後の合意」を実行することだ。

つまり、合意に達した後で、交渉のパートナーに対して、もっと良い方法があるかと質問してみるのだ。すでに合意に達しているため、双方とも圧力は軽減している。双方がより自由に、他の創造的な選択肢を模索できるはずだ。

「私から見ると、その質問をして損することはない」とワイスは強調する。

最も良いところは、合意に達しているかどうかにかかわらず、この質問は可能なことだ。たとえ合意に達することができなくても、それぞれの観点から、どうすればもっとうまくいったかを聞いてみることに損はない。必ずしも解決につながるとは限らないが、質問することで、さらなる会話、場合によっては、新たな取引への扉が開かれる。

粘り強さの役割


ワイスは最後に、好奇心や創造性を大切にすることに加えて、粘り強さやレジリエンス(回復力)の重要性を強調した。自信を装い、状況をコントロールしているという姿勢を装うのは簡単だが、人は多くの場合、「面目を保つ機会」を求めている。

「人はしばしば、自分を追い込んでしまい、別の道を必要としている」とワイスは説明する。

こうした流れのなかでは、「聞くこと」が、粘り強さの好例になりうる。合意や結論を急ぐのではなく、時間をかけて相手の話を聞き、相手も別の道を求めている可能性があるのかどうかを判断するようにしよう。

交渉はいつまでも続けられないし、続けるべきでもないが、ワイスは、すぐに諦めるべきではないと助言している。

「解決策は存在する。あなたは、まだそれを見つけていないだけだ」とワイスは述べる。「だから、諦めそうになったら、そこにとどまってほしい」

forbes.com 原文

翻訳=米井香織/ガリレオ

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