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2022.12.23

凍りつく米住宅市場、30年固定金利「7%超え」で需要が急減

Getty Images

全米不動産協会(NAR)が12月21日に発表したデータによると、11月の中古住宅販売件数は過去10カ月連続で減少し、住宅市場は引き続き米国経済で最も打撃を受けている分野の一つとなっている。

11月の中古住宅販売件数は409万件で、前月比7.7%の減少だった。この数値は、1年前の2021年11月の633万件から35.4%もの減少となった。

中古住宅販売数は、年間ベースで減少が続いており、パンデミックの初期の2020年5月に急落した後に回復したが、現状はそれ以外では2010年11月以降で最悪の数値となっている。

「住宅用不動産市場は11月に凍りついた」と、NARのエコノミストのローレンス・ユンは声明で述べ、需要の落ち込みの主な理由に「住宅ローン金利の急激な上昇」を挙げた。

フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)によると、11月の住宅ローンの30年物固定金利は、21年ぶりに7%を突破した。

中古住宅販売数の急激な減少は、住宅市場の先行きを懸念させる複数のデータの一つに過ぎず、新築住宅着工数も2020年以降最低の水準で推移し、住宅建設業者の信頼感指数も2020年の一時期を除くと2012年以降で最低の水準に沈んでいる。

2020年から2021年にかけての住宅価格の長期的な高騰は、米国における過去40年以上で最悪のインフレに大きく寄与した。連邦準備制度理事会(FRB)はフェデラル・ファンド(FF)金利を2007年の住宅バブルの崩壊以降で最高レベルに引き上げ、それが住宅ローンの借入コストの上昇と、住宅ローン金利の上昇につながった。

住宅ローン金利はここ1ヶ月でかなり低下し、30年物固定金利は11月10日の7.08%から12月15日までに6.31%に低下したが、昨年12月の3.12%をはるかに上回っている。

21日朝の株式市場は、ナイキとフェデックスの好決算と、消費者の景気後退懸念の後退を示すデータが好感されて上昇し、ダウ平均は1.7%上昇し、1週間以上ぶりの大幅な上昇を記録した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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