キューバンのオンライン薬局「マーク・キューバン・コスト・プラス・ドラッグス・カンパニー(MCCPDC)」は12月8日、薬剤給付管理会社のPurchaser Business Group on Healthとの提携を発表した。この提携により、米国人は同社の子会社のEmsanaRX Plusを通じて雇用者提供の医療プログラムを利用し、キューバンの会社が提供する低価格の医薬品を入手できる。
キューバンの会社は、大手保険会社を通さず、100種類以上のジェネリック医薬品をメーカーの出荷価格に15%を上乗せし、薬剤師が受け取る手数料3ドル(約340円)を加えた額で販売している。この仕組で中間マージンを排除することで、コスト削減を実現したと同社は述べている。
同社はTruepill薬局を通じて処方箋を発行しており、現状ではサードパーティのサプライヤーから直接薬を購入しているが、ダラス郊外に建設中の工場で自社製品を製造する予定という。
1999年にインターネットラジオ局のBroadcast.comを57億ドルでヤフーに売却したキューバンは、昨年1月にMCCPDCを設立。その1カ月後、テキサス州に1100万ドルの医薬品製造工場の建築許可を申請した。
MCCPDCは、保険請求の手続きを行わないため、同社を通じての薬代は、患者が従来の医療機関を通じて支払う費用よりも安くなると、キューバンは2月にCBSニュースの取材で語っていた。米国保健福祉省(HHS)によると、米国の処方薬のコストは急増し続けており、米国人は他のどの国よりも多くの費用を処方薬に支払っているという。
キューバンは、日本の「マネーの虎」をオリジナルとする人気テレビ番組「シャーク・タンク」の審査員としても有名で、2011年に同番組のパネルに加わって以来、すべてのエピソードに出演している。しかし、彼は9月のフォーブスの取材で、医薬品会社の業務に専念するために番組を去ることを検討していると述べていた。
フォーブスは、世界で585番目の富豪と推定されるキューバンの保有資産を46億ドル(約6300億円)と試算している。
(forbes.com 原文)