過去20年間で、平均的な航空機の座席の幅は47センチから43センチへと縮小。典型的な座席配置での足元のスペースは76~81センチで、多くの成人にとって窮屈な状態となっている。
FAAが今年、座席スペースについて一般から意見を募ったところ、2万6000件以上の苦情が殺到。航空便利用は「快適ではない」との意見が3708件も集まったほか、「狭苦しい」は1842件、「窮屈」は1203件、「すし詰め状態」は1100件だった。
タミー・ダックワース上院議員(民主党、イリノイ州選出)は今月、長年変化していない安全性規則についての透明性向上をFAAに求める法案を提出した。
FAAは2019年から20年にかけ、現在の旅客機が「90秒ルール」を満たしているかを確認するべく一連の試験を実施したが、ダックワースによると「試験の条件は完全に非現実的だった」という。試験に参加した乗客は60人のみ。全員が60歳未満の健常者で、チャイルドシートから抱き上げる必要がある子どもや、足が弱い高齢者、障害者、英語を話さない人は含まれておらず、転倒を誘発する荷物や充電ケーブルなどの障害物もなかった。
ダックワースによると、法案はFAAが評価試験を行う際に「現実世界の状況に非常に近い可変要素」を含めることを要求する内容で、国内の主要な操縦士・客室乗務員の労働組合や、退職者・子ども・障害者の擁護団体、「ハドソン川の奇跡」を起こした英雄として知られる元機長のチェスリー・サレンバーガーの支持を得ている。
(forbes.com 原文)