フランスの若者も飲酒離れ、パンデミックで拍車

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世界保健機関(WHO)の新しい研究によると、フランスの青少年におけるアルコール、タバコ、大麻の使用は、過去10年間で大幅に減少していることが明らかになった。

学齢児童の健康動態調査(HBSC)によると、2021年には、中学3年生の3人に2人がアルコールを摂取したと認めており、フランスの若者が最も頻繁に使用する物質であることに変わりはないが、この数字は2010年以来、最も低い記録となっている。

2020年の新型コロナウイルス感染症発生直後の時期が大きな影響を与えているが、実はこの時期の全体の減少の60%は2018年から2021年にかけて起きている。

そして、最も顕著なのは、アルコールを一度も摂取したことがない中学3年生の割合が、過去10年間で2倍になったことだ。

「これらのポジティブな傾向は、若者の社会的相互作用が有害な物質の乱用にどのように影響するか、また、ターゲットを絞った政策やキャンペーンの力を示しています」と本調査の主任研究者の1人であるエマニュエル・ゴドー博士は述べる。

「フランスの青少年におけるタバコとアルコールの使用が継続的に減少していることは、喫煙しにくい社会づくりを含む公共政策と戦略の成功の結果でもあります」

この調査の結果が最も重要なのは、実は喫煙についてだ。

調査によると、タバコを吸ったことがある(生涯に1回以上)青少年の割合は、2018年は37.5%、2010年は52%近くだったのに対し、2021年は29.1%強にとどまった。

同様に、タバコの現在の使用(過去30日間に1本以上)の割合は、2018年の13.6%から2021年には10.2%に減少している。

タバコやアルコールと同様に、大麻の使用も急速に減少している。2021年には、中学3年生の生徒の9.1%が使用したことがあり、その数字は、2010年(23.9%)の約3分の1に減少している。

「今回の調査結果は、フランスの若者のアルコール、タバコ、大麻の使用が、パンデミックによって減少傾向に拍車がかかったことを示しています」とWHOヨーロッパ地域ディレクターのハンス・ヘンリ・P・クルージ博士は述べた。

「これは、賢明な政策の重要性と、私たちの行動を形成する上で環境が果たす役割の両方を示しています。同時に、この結果は、パンデミックが若者の健康全般にどの程度影響を与えたかという問題を提起しています。政策立案者は、人々の健康にとって有益か有害かにかかわらず、こうした影響を継続して研究することが極めて重要です」

HBSCはWHO/Europeとの緊密な協力のもと、ヨーロッパとカナダの青少年の健康とウェルビーングに関する国を超えた研究だ。この調査は、11歳、13歳、15歳を対象に4年ごとに実施されている。

フランスでの調査は、新型コロナの流行期間中に欧州各国で実施された一連の国別調査の一部で、WHO/Europeは今後数カ月の間にこの調査をさらに発表する予定だ。

forbes.com 原文

翻訳=上西 雄太

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