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2022.12.21

宇宙でもサステナビリティ、JAXAが人工衛星の燃料補給を検討

Getty Images

JAXAは、持続可能な宇宙環境を目指す宇宙スタートアップ、アストロスケールと共同で、軌道を周回中の人工衛星に燃料を補給して延命することで、宇宙のゴミを減らす取り組みを始めました。これは、「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ」の一環で行われるコンセプト共創活動です。

現在、地球の周回軌道は人工衛星や宇宙ゴミ(デブリ)が増加しており、このままでは長期的な軌道の活用が困難になると言われています。その解決策として、デブリの除去技術とともに注目されているのが、現在運用されている人工衛星の寿命を延長してデブリ化を防ぐ技術です。つまり、人工衛星の軌道上での修理や燃料補給ですが、それらを提供する事業を総称して「軌道上サービス」と呼んでいます。アメリカの衛星専門調査会社ノーザン・スカイ・リサーチは、軌道上サービスは2031年までに47億ドル(約6400億円)の収益を生み出す事業になると推定しています。



アストロスケールは、宇宙ゴミ(デブリ)の除去や軌道上での衛星の修理などでスペースサステナビリティーの実現を目指す世界初の民間軌道上サービス企業です。これまでに、宇宙デブリの回収と除去を行う実証衛星ELSA-dを打ち上げ、模擬デブリの捕獲に成功しています。今後約1年間にわたりJAXAと事業コンセプトを共創する予定ですが、アストロスケールはデブリ捕獲のためのランデブー技術や宇宙船外汎用作業ロボットアーム・ハンド技術を提供し、軌道上での燃料補給サービスに向けた検討を行います。

文 = 金井哲夫

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