起業家でデータサイエンティストのティファニー・ケリー(Tiffany Kelly)は、アスリートやエンターテイナーがビデオコンテンツを制作して収益化するのを支援するプラットフォーム「Curastory」で、この変化を加速させようとしている。
ルイジアナ州で育った28歳のケリーは、学生時代に水泳やバレーボール、バスケットボールをプレイしたスポーツ好きで、ESPNに入社後は統計情報チームで初のアフリカ系米国人のアナリストとして働いた。彼女は独学で学んだプログラミングの知識を活かし、カレッジフットボールのファンたちの「ハピネス・インデックス」などのプロジェクトに関わった。
ケリーが2019年にニューヨークで設立したCurastoryは、ライトスピード・ベンチャー・パートナーズやグーグルなどから350万ドル(約4億7000万円)を調達し、今年の売上は900万ドルに達する勢いだ。データの力でスポーツビジネスを変える彼女は、フォーブスの2023年版「30 アンダー30」のメディア部門に選出された。
フォーブスは毎年恒例のこのアワードのメディア部門で、ニュースやコンテンツの世界を牽引する若手起業家や作家、コンテンツクリエイターらにスポットライトを当てている。候補者はすべて2022年12月31日時点で30歳未満であることが条件とされている。
今年のメディア部門では、ケリー以外に29人が選ばれたが、スポーツ好きなのは彼女だけではない。
現在20歳のアシュテン・スミス・グーデン(Ashten Smith-Gooden)は、カリフォルニア大学バークレー校で女子バレーボールの選手として活躍し、黒人学生アスリート委員会の設立に貢献した。卒業後に、彼女はバスケットボールに特化したメディアの「Swish Cultures」を共同設立し、レブロン・ジェームズやケビン・デュラント、キャンディス・パーカーなど、NBAやWNBAのスター選手とコラボを行っている。
今年のリストには、ワシントン・ポストの最年少シニアエディターのトラビス・ライルズ(Travis Lyles)も選ばれた。現在29歳のライルズは、この5年間で同紙のインスタグラムのフォロワー数を60万人から600万人以上に増やすことに貢献した。
27歳のベストセラー作家も
作家としては27歳のアレックス・アスター(Alex Aster)が選ばれた。ペンシルベニア大学を首席で卒業した彼女は16の出版社に断られた後、TikTokとインスタグラムで自身のヤングアダルトノベルの「Lightlark」を宣伝し、出版前に百万ドル単位の映画契約を獲得した。この作品の書籍は、初週に2万4000部以上を売り上げてニューヨークタイムズのベストセラーリスト入を果たし、アスターは現在、2つのSNSで合計100万人以上のフォロワーを抱えている。
ちなみに、アスターの妹のダニエラ・ピアソンは、ニュースレター「The Newsette」を立ち上げた女性起業家として知られている。
本年度の「30 アンダー30」の全メンバーはフォーブス英語版サイトで公開されている。
(forbes.com 原文)