スタンフォード大の日本人学生が感銘を受けた、教授たちの活動姿勢

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──修了後はどのような道に進むのでしょうか。

所属事務所に戻り、そのネットワークを活かして、日本や世界のブロックチェーン業界に還元していきたいアイデアが多くあります。他方で、数年先のことは何も決めていません。ブロックチェーンはパソコンがあれば何でもできる世界ですので、弁護士という肩書きでは働いていないかもしれません。さまざまな可能性を楽しみにしています。

取材後記


「こちらに来てわかったこととして、スタンフォードの学生と言えど、この分野を専門とし、深く理解している弁護士はそれほどいない」

この言葉が印象的でした。ブロックチェーンのような最先端分野では日本人も世界をリードするチャンスがあるわけです。私もスタンフォードに来て「この分野なら日本人が牽引できるのでは」と思うことが少なからずありました。世界最高峰のスタンフォードに来ると、日々限界を感じることがあります。一方、「世界でも戦えるのではないか」と、日本では見えなかった大きな可能性が見えて心沸き立つ瞬間も多々あります。

さらに、コードXの例にもありましたが、スタンフォードでは研究者と実務家が連携を取り、最先端分野を切り拓こうとしています。現在、ブロックチェーンのイノベーションを促進するような法制度の検討が進められているという米国の状況の裏には、もしかしたらこのような専門家の連携があり、それを促す大学の存在があるのかもしれません。

※この記事はジャーナリスト尾川真一(フルブライト奨学生)とともに取材しました。


宇田川 翔(うだがわ・しょう)◎早稲田大学法学部卒業。森・濱田松本法律事務所にて争訟/紛争解決、コーポレート・ファイナンス、ブロックチェーン(暗号資産/セキュリティ・トークン/NFT等)を担当。2022年よりスタンフォード大学法科大学院に在籍。

文=芦澤美智子、尾川真一 編集=露原直人

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