フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道によると、この交渉は最終的に4月に決裂したが、NFTを組み合わせたチケット販売が計画されていたという。
記事によると、バンクマンフリードは自らを「テイテイのファン」と呼んでいたが、会社の一部の上級幹部は、スウィフトとの取引で生じるコストや、彼女のファン層が暗号通貨に興味を持つかどうかという懸念から、プロジェクトを進めないように助言したという。
スウィフトはソーシャルメディア上で数百万人のフォローを持っており、FTXは彼女の支持層への宣伝効果を狙う意図もあったと同社の元社員は述べている。交渉の経緯を知る人物はFTの取材に、スウィフトとの話し合いは、FTX内部の意思決定プロセスによって阻害され、バンクマンフリードに近い若手の幹部が経験豊富な幹部と衝突する場面もあったと語っている。
スウィフト自身は、FTXと契約を結ぶ意志はなかったと関係者は述べている。この協議は2021年秋に始まり、今年の春に破棄された。
FTXと契約を結んだ著名人には、トム・ブレイディ、大坂なおみ、大谷翔平、NBA選手のステフィン・カリーなどが挙げられる。
ピーク時の合計の評価額が400億ドル(約5.5兆円)に達したバハマのFTXとその米国子会社のFTX U.S.は先月、姉妹会社のアラメダ・リサーチとの深いつながりを指摘され、最終的に破綻した。アラメダは、FTXのFTTコインを担保に10億ドルの融資を受け、今年初めに暗号価格が暴落した後、FTXは顧客の資産をアラメダに貸し出して、救済したと報じられた。
暗号通貨メデイアのコインデスクが11月初旬、アラメダのバランスシートの大部分をFTTが占めていると指摘したことが取り付け騒ぎにつながり、FTXは11月11日に破産を申請した。バンクマンフリードは、CEOを辞任したが詐欺の疑惑を否定している。
(forbes.com 原文)