この書簡は、TikTokの親会社のバイトダンスが「米国市民の位置情報を監視しようとしていた」と報じた10月のフォーブスの記事や、アプリを通じてユーザーのキーストロークを追跡できると指摘したニューヨーク・タイムズ(NYT)などの最近の報道を参考にし、その主張を補っている。
サウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事も同様の懸念を示し、11月29日に州政府のデバイスでのTikTokの使用を禁止していた。
メリーランド州のラリー・ホーガン知事が6日に発表した緊急サイバーセキュリティ指令では、ファーウェイやテンセント、アリババ、カスペルスキーが開発したあらゆるアプリケーションの使用が禁止されている。
ウィスコンシン州の議員らは、エヴァース知事がTikTokのアカウントを持っていることを非難し、公の場での説明を求めている。
ロイターによると、FBIのクリス・レイ長官は先月の声明で、TikTokが米国の端末を「技術的に危険にさらす」可能性があると述べ、「中国政府がTikTokを使って数百万人のユーザーに関するデータ収集をコントロールしたり、レコメンドアルゴリズムを制御する可能性がある」と警告していた。
TikTokの広報担当者は「FBIの指摘は、米国政府との継続的な交渉の一環として検討されている。協議の詳細についてはコメントできないが、我々は国家安全保障に関する懸念を完全に払拭する道を歩んでいることを確信している」と述べている。
TikTokとその親会社のバイトダンスは、トランプ前大統領による2020年の同アプリとWeChatのダウンロード禁止命令以降、国家の安全保障上のリスクとの関連を指摘されてきた。米商務省は、このアプリが 「米国の国家安全保障や外交政策、経済を脅かす可能性がある」と述べていた。2021年に発足したバイデン政権は、アプリのセキュリティの見直しなどを進めつつ、トランプ大統領の大統領令を無効化していた。
フォーブスの12月1日の独占レポートは、中国政府が運営するTikTokのアカウントが中間選挙前に米国の政治家を攻撃し、社会の分断を押し広げたと報じていた。
(forbes.com 原文)