今回の最新調査を裏づける業界データもある。ダイレクト・コマース(Direct Commerce)によれば、ヨガパンツやジョガーパンツをはじめとする「アスレジャー」ファッションの売上が、2021年にほぼ倍増したのだ。
こうしたトレンドは、オートクチュールにも少しずつ浸透し始めている。2022年秋にロンドン、パリ、ミラノで開かれた有名ブランドの新作発表ファッションショーでは、ウェストがゴムのもの、伸縮性のある生地、フラットサンダル、ニットドレス、スニーカーなどがお目見えした。
スタイルコンサルタント会社「ザ・スタイリング・ストーリー(The Styling Storey)」のルールー・ストーリー(LouLou Storey)もこう話す。「見た目が素敵であっても、着心地の悪い服はある。けれども、いつも快適であれば、いつも素敵に見えると思う」
「自らの体を受け入れ、ありのままの姿で心地よさを感じるのがカギだ。服とは、動きやすくて、流れるように日常を送れるものであるべきだ。自分と衝突するものであってはならない」
「変化の激しい世界では、安心感を得られることも必要だと思う。着心地のいい服は、ちょっとしたセキュリティブランケット(愛着があって、持っていると安心できるもの)の役割を果たす。(中略)いまの世の中には、もう十分に、不快な事柄が存在しているのだから」
快適さを求めるトレンドは、あらゆる年齢層に受け入れられている。50歳以上の世代も、若者世代と同じく、心地よいファッションを積極的に取り入れている。こうした流れが2023年以降、店頭の品ぞろえにどう影響を与えるのかに注目していきたい。
(forbes.com 原文)