「そもそも、人が最高の幸せを手にするのは、誰かの役に立って喜ばれることだ」と熊谷さんは語っていました。「誰かを幸せにする以上の幸せはない。その意味では、仕事は幸せを手に入れることができる、とても素晴らしい手段だ」とも。
「報酬というのは、結果であって目的ではありません。報酬は大きくても、誰にも満足してもらえないような仕事を、人は選ぶでしょうか。それで大きな幸せを感じられるでしょうか。僕は違うと思う。まずは、どうやって人に喜んでもらうか、というのが前提になければならないんです」
例えば、自分が苦手とすることよりも、得意なことのほうが、喜んでもらいやすい。強みと弱みをしっかり認識し、そこから業界や職業に落とし込んでいったほうがいいということです。
「特にインターネット時代は、誰でもさまざまな分野の情報が簡単に入手できます。中途半端な知識や存在は駆逐されてしまう。どんな分野でもプロにならなければ、生きていけません。だから、強みを生かしたほうがいい」
そしてもう1つ、大事になるのが、ひとたび仕事に就いたら、利を急がないことだといいます。そのためにも重要なことは、人生に大きな目標があることです。
「そこから細かな日々の目標を立てていったら、焦る必要はなくなります。逆に薄っぺらな成果を出しても、それはすぐにはがれてしまいます。長い目で本当の力を付けていくこと。それが結果的には、報酬をもたらすことになるんです」
また「すべての責任は自分にあると認識することが大切だ」とも語っていました。
「社会や他人を嘆いたところで、それを自分の思うようには変えられない。変えられるのは、自分だけです。自分が変わることによって、周りを変えていくしか方法はないんです。そこに早く気づくことです」
そもそも会社や仕事は、ツールでしかありません。人を幸せにし、自分も幸せになるためのツールです。
「世の中の成功者は、夢や目標が、人々の幸せとつながっている。だから、仕事の結果が個人の幸せにもなる。矛盾がないから、頑張れるんです」
人々の幸せと自分の幸せをいかにつなげられるか。熊谷さんが教えてくれた成功のヒントです。