マウナロア噴火の展望エリアが軍の不発弾発見で閉鎖

2022年11月28日、ハワイ島のマウナロア火山は38年ぶりに噴火した(Andrew Richard Hara/Getty Images)

あらゆる状況において溶岩ほど危険なものはほとんどないが、溶岩に爆発物が組み合わさると話は別だ。それがハワイ島当局関係者が週末以来直面している問題だ。

軍用兵器、おそらく手榴弾の不発弾が、進行中のマウナロア火山噴火による流出溶岩を見学するために設置された見物場所付近で12月4日に見つかった。マウナロアは世界最大の活火山だ。

噴火は先週始まり、溶岩はダニエル・K・イノウエ・ハイウェイ、通称サドルロードの方向へ流れ続けている。マウナロアと休火山のマウナケアを分ける高原を通って、島の片側と反対側を結ぶ幹線道路だ。

見物客は、わずか数キロ先をゆっくりと流れてくる溶岩原が別世界のような輝きをみせるところを一目見ようと道路を埋め尽くし始めた。

渋滞を緩和するべく、迂回路および展望場所が米軍のポハクロア訓練場(PTA)を通過する場所に開設された。不発弾が発見、報告されたのがここだ。

PTAの広報担当官エミー・フィリップスは記者団に対し、同施設は現在も活動中の訓練地域であり、他の不発弾が存在する可能性があると伝えた。同広報官は観光客に向けて、道路内に留まり、溶岩原に立ち入るような危険を冒さないよう警告した。

米国陸軍とハワイ郡当局は、協力して不発弾を安全に爆破し、迂回路と見物場所は12月4日夜に再開された。



「道路を離れることは、不法侵入であるだけでなく、足首の捻挫から古い手榴弾にいたるまで、さまざまな理由でよい考えではありません」とハワイ州緊急事態管理局がTwitter(ツイッター)で通知している。



火山の北東斜面の亀裂から生じる溶岩流は、道路から3キロメートルあまりの位置にあり、現在1日当たり約12メートルの速度で前進しているが、状況は流動的であり、溶岩の塊が分裂してもっと速く流れ始める可能性もあると当局は警告している。

サドルロードへの影響の可能性を軽減する方法があるのかどうか、まだわかっていない。噴火がこの重要路線を脅かす前に、沈静化あるいは停止する可能性はある。

考慮すべき危険は、有毒な火山ガスをはじめ溶岩以外にもある。

現時点で噴火による人や施設への切迫した危険はまだない。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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