子どもの生活に過剰介入する「ヘリコプターペアレント」の危険性

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親たちは、子どもの成長に合わせ、あらゆる行動を監視するのを止めることが望ましい。これは親のエネルギーを節約するだけでなく、リスクを負うことや自分の安全に責任を持つこと、そして何よりも自分に正直になり本当の自分を確立するなどの重要なライフスキルを子どもが身につける効果がある。

#2. 失敗させないようにする


子どもの生活にのめり込みすぎることは保護本能の1つだ。問題は、この本能が痛みや不快感の原因になるものをすべて脅威として認識し、最終的に自分の子どもの成長に役立つかもしれないものまで排除してしまうことだ。

しばしばヘリコプターペアレントは、子どもを失敗の落胆から守るために、介入して子どもの手綱を握ろうとする。ときには、拒否を黙認へと変えようとしたり、子どものプロジェクトに土壇場で介入して、代わりに電話や寄付をしたり苦情を申し立てたりすることで、子どもが自分の行動の結果や、人生の当たり前の事実に直面せずに済むようにする。

親がいつでも子どもを捕まえられる場所にいると、子どもは落胆や挫折に対処する方法を永久に学ばない。その結果、その後の人生で直面する難題に立ち向かうことが難しくなる。

Parenting Culture Studiesに掲載された論文が、そのような過保護が原因で子どもに発現する恐れのある対処メカニズムの1つは親への非難であると指摘している。つまり親は良い親であろうとして子どもを嫌な体験から保護するが、結局は、その子どもが大人になって体験するであろうあらゆる問題について、我が子から非難されることになる。

最悪の場合、過保護や不必要な干渉といった問題を放置しておくと、長期的な家庭崩壊に繋がりかねない。このため、子どもとの関係を恒久的に損なわないために、子どもには苦労して経験を積ませることが役立つかもしれない。

ヘリコプターペアレンティングは、善意から生まれる行動だが、長引く苦痛につながりかねない。もしあなたの親や、あなた自身の子育てスタイルにヘリコプター的傾向があると感じるなら、専門家の助けを借りることが必要かもしれない。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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