NFTマーケットが盛り上がりを見せるなか、2019年12月に世界初の100円からアート・NFT作品を売買できるプラットフォームとして先駆けてリリースしていた「STRAYM(ストレイム)」がWEB3化に伴う大幅アップデートを行なった。
アートを扱う市場で100円?という疑問を持ちつつ、気になるそのサービス内容と、NFTの先に広がるデジタル・ビジネスの世界とは?「STRAYM(ストレイム)」代表取締役 共同創業者/CEOの長崎幹広と、同じく共同創業者の山崎正典を取材した。
「SNS」「ブロックチェーン」「100円」が融合したプラットフォーム
シェアリング・エコノミーから着想を得て、アート作品を愛する人達とシェアする仕組みを実現した「STRAYM(ストレイム)」は、ストレイム アート アンド カルチャーが運営している。
同社の前身では、「SNS」と「ブロックチェーン」を打ち出したい目的で、1口100円のくじを集い、インフルエンサーやアーティストの私物、例えばエリック・クラプトンのギターなどがネット上で当選するサービス「スマドナ」を企画構想。そして、満を持して昨年11月からローンチしたのが、「SNS」「ブロックチェーン」「100円」という3つのキーワードを引っ提げた、アート作品を扱う分散型保有プラットフォーム「STRAYM(ストレイム)」となる。
アート作品を分割して購入するという斬新な発想は、国内では、まだ数社しか存在せず、海外に於いても実に数社しか存在しない、新しいアート売買システム。
「私達は、アーティストを支援したいというDNAが根底にありました。世の中のアートに対するハードルを下げて、日本市場を拡大したいミッションに加えて、弊社には、アートやカルチャー系に加えて金融系に強いスタッフが揃っていたことも、このシステム作りで大きかったです」と「STRAYM(ストレイム)」と長崎が解説する。
STRAYM(ストレイム) 代表取締役 共同創業者/CEOの長崎幹広
STRAYM(ストレイム)共同創業者 山崎正典
100年に一度を迎えた、アート市場の転換期
ここで、世界のアート市場についてご説明しよう。アート作品を売買するサザビーズなどのオークションハウスが出現して約150年が経過しているが、このシステムは、1世紀もの間、全く変わっていなかった。ところが、近年、オンラインでの共同保有システムが台頭し、さらにブロックチェーンの進化により、分散型プラットフォームに注目が集まってきた。
山崎は、「今、アート業界は、100年に一度の転換期です。ブロックチェーンの進化によって追い風が高まり、改ざん出来ないアートをデータ上で資産として保有するサービスに注目が集まってきました」
コレクターのメリットは、経済的ハードルが下がる事。アーティストのメリットは、分散型の為、応援してくれる人が多く存在する事。従来のオークションハウスでは、アート作品を落札して所有するオーナーが1人だが、「STRAYM(ストレイム)」では、分散型なので仮に100人いたとする。この100人が自分の買ったアート作品をツイッターなどで拡散する事で、アーティストの認知度が上がる=時価総額が上がる。