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2022.11.28 14:00

すべての「日食」が一度に起こる金環皆既日食が4月に

ベイリー・ビーズは皆既日食の始まりと終わりに見ることができる。画像はESOのラ・シヤ天文台で2019年7月2日に撮影された一連の画像から作成。1800年代初期にこの現象を発見した英国の天文学者フランシス・ベイリーに因んで名づけられた(P. Horálek/ESO,https://www.eso.org/public/images/eso1912w/)


しかし月の軌道はわずかに楕円形なので、平均よりときには小さく、ときには大きく見える。月が比較的地球の近くにいるときに日食が起きると、円錐形の影の先端が地球の表面に当たり、皆既日食になる。月が地球に近いほど、皆既日食帯は広くなり、最大皆既の時間も長くなる。
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月が地球から平均より遠いときに日食が起きると、円錐形の影が地球に当たらない。その結果起きるのが金環日食だ。1つのイベントで、皆既日食と金環日食の両方が起きる正確な位置に月があるときだけ金環皆既日食が起きる。

Exmouth
西オーストラリアのエクスマウス湾、西側に伸びているのがケープ・レンジ。2023年4月20日の稀少な金環皆既日食では、1分をわずかに超える皆既日食をここで体験できる(NASA, Photo-ID: STS067-722A-53)

次の金環皆既日食はいつ?


次の金環皆既日食は2023年4月20に西半球で起きる。しかし、イベントのほぼすべてが海の上でしか見られない。インド洋の遠洋で始まり、そこでは金環日食をごくわずか、1秒程度見ることができる。同じことが同じ日のその後太平洋の遠洋で起きる。
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その間に、皆既日食が1分前後起きるが、陸地からはほとんど見えない。西オーストラリアの西海岸にはこのイベントを一目見るためにたくさんのクルーズ船が出航するだろう。オーストラリアで唯一皆既状態を見ることのできるエクスマウス半島も同様だ。このイベントを皆既日食として鑑賞する別の選択肢には、東ティモールと西パプアがある。

ただし、澄み切った空の可能性が一番高いのは西オーストラリアだ。

金環皆既日食を体験すべき理由


日食マニアは、金環皆既日食を皆既日食とまったく同じように扱い、皆既日食帯の中で皆既を体験できる場所だけを探し出すべきだ。しかし、そこにはいくつか特別な特徴がある。

天体力学は皆既状態がかなり短い時間になることを示しているが、どの日食マニアもいうように、わずか数秒であっても皆既日食は稀少でありそれ自体が貴重である。加えて、皆既が短いということは、ベイリー・ビーズを長い時間見ることができることを意味している。壮観なダイヤモンドリングの直前に、月のさまざまな谷を通過してやってくる最後の光条だ。日食マニアが心から興奮するものであり、それに値する。驚愕の皆既日食のすばらしいボーナスだ。

以上、すべてが次の金環皆既日食をいっそう稀少なものにしているため、そろそろ計画を立てる時期だ。観測できる場所の少なさから、これは準備のよいごく少数の人たちだけが楽しめる日食になるからだ。クルーズ船や車の予約を急げ!

Beads
明るく輝くビーズは、皆既が始まる直前に月の外縁にそった深い谷を通過する太陽光によって作られる(Carla Thomas/NASA via Getty Images)

21世紀の金環皆既日食


金環皆既日食は10~20年に一度しか起きないため、熱心な日食マニアでさえ、生涯に何度も見るチャンスはない。21世紀中に起きる正確な日付を以下に挙げておく。

・2031年11月14日(1分8秒間)
・2049年11月25日(38秒間)
・2050年5月20日(21秒間)
・2067年12月6日(8秒間)

情報開示:筆者はWhenIsTheNextEclipse.comの編集者。

澄み切った空と大きな瞳に願いを込めて。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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