デモ参加で「死刑」に
デモが発生して以降、起訴された人は2000人以上とされるが、OHCHRによると、国際人権基準に合致した裁判は行われていない。「拘束されたデモ参加者たちは、過密な状態で勾留され、拷問や性的嫌がらせなどの非人間的な扱いを受けている」という。また、こうした人たちを担当する弁護士らは、逮捕するとの脅しを受けている。
OHCHRは11月に入り、イラン当局が平和的なデモに参加した、あるいは参加したとみられることを理由に、人々を死刑に相当する罪で起訴している「問題」を提起。「イスラム革命法廷で10月29日、死刑に相当する罪で8人が起訴された。彼らは“神に戦いを挑んだ罪”などに問われている」と指摘した。
だが、この2日後にはテヘラン州の検察当局が、最近の「暴動」に関わったとして、州内だけでも1000人以上を起訴したと発表。これらの人たちの裁判は、イスラム革命法で行うことを明らかにした。この法廷は過去に、政治活動家やジャーナリスト、弁護士、人権活動家たちに対する略式裁判を行い、甚だしく不公正な判決を下している。
国連人権理事会が設置を決めた調査団は、当局による人権侵害、特に女性と子どもに対する人権侵害の疑いについて、独立した立場で徹底的に調査を行い、証拠を集め、立証していくことになる。
この新たなメカニズムが、できる限り早急に創設されることが重要だ。イラン政府は、マフサ・アミニの殺害に対する国民の、そして世界の怒りを、甘くみている。
(forbes.com 原文)