ウォールストリート・ジャーナルによると、TikTokは現在、米カリフォルニア州マウンテンビューの拠点に1000人あまりの技術者を擁するが、ソフトウェアエンジニアをさらに約3000人採用する予定だという。
中国企業のバイトダンス(字節跳動)が運営するTikTokは、米国でフェイスブックの親会社メタなどを出し抜いてシェアを奪いつつある。
また最近は、メタやツイッター、アマゾン、グーグル、リフト、ストライプなどがレイオフや採用凍結、内定取り消し、人事評価の見直しによって人員削減を進めるなか、市場には高度なスキルをもつ専門人材が大勢おり、採用しやすい時期にもなっている。
中国政府の「監視の道具」懸念拭えず
一方、TikTokに対してはここ数カ月、規制当局などからさらに厳しい目が向けられている。フォーブスは10月、バイトダンス内のチームが、このアプリを利用して特定の米国人を監視しようとしていたと報じた。
バイトダンスでは、現・元従業員による不正行為が疑われる事案については内部監査・リスク管理部門が調査を担当することになっている。だがフォーブスが確認した資料によると、バイトダンスとの雇用関係が一度もない米国市民について、同部門のチームがTikTokの位置情報データを集めようとした事例が少なくとも2件あったという。
今月開かれた米下院国土安全保障委員会の公聴会で、米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は、TikTokは「国家安全保障上の懸念」をもたらしているとの認識を示した。中国の法律は事実上、企業に対して「情報の共有や中国政府の道具としての役割など、政府の望むことは何でもすること」を義務づけていると述べ、これはきわめて懸念される点だとも強調した。
共和党議員はTikTokの利用を全米で禁止する法案を提出している。
シンガポールで開かれたブルームバーグのイベントでレイの発言について質問された周は、米政府の懸念事項についてはTikTokがすべて応えていけることを「確信している」と語っている。
(forbes.com 原文)