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2022.11.23 10:30

ファイザー「BA.5」対応2価値ワクチン、ほかの変異株にも効果

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米製薬大手ファイザーとドイツのバイオ医薬品企業ビオンテックが開発した新型コロナウイルスの2価ワクチン(従来株に加え、オミクロン変異株の派生型「BA.4」と「BA.5」に対応)は、調査の結果、従来株のみに対応したワクチンと比べ、その他の複数の派生型にも大幅に高い防御効果をもたらすとみられることがわかった。

オンラインのデータアーカイブ「bioRxiv」に先ごろ発表されたデータによると、2価ワクチンを4回目の接種に使用した場合、オミクロン株の派生型「BA.4.6」に対する中和抗体の値は、約11倍に高まっていた。また、「BA.2.75.2」と「BQ.1.1」、「XBB.1」に対する中和抗体の値は、それぞれおよそ7倍、9倍、5倍に引き上げられていた。

この発表以前にファイザーが公表したデータ(55歳以上に追加接種で使用した場合)では、「BA.4-5対応」の2価ワクチンの接種から1カ月後の「BA.4」と「BA.5」に対する中和抗体の値は、接種前の13倍以上に引き上げられていたことが示されている。

米食品医薬品局(FDA)は10月中旬、「BA.4」と「BA.5」に対応する2価ワクチンの緊急使用許可の対象を、5歳以上とすることを承認。米モデルナの同タイプの2価ワクチンについては、接種対象年齢を6歳以上として承認している。

追加接種は進まず


米疾病対策センター(CDC)によると、米国ではこれまでのところ、5歳以上の3520万人以上(人口の11.3%に相当)が、追加接種として2価ワクチンの接種を受けている。

ただ、CDCのデータによれば、新規感染者数は7月下旬から10月中旬まで減少傾向が続いており、11月2日時点の新規感染者数の7日間平均は、およそ3万9000人となっている。こうしたなか、初回接種(種類により1回または2回)を完了した人は68.5%にのぼる一方、追加接種を受けた人は、対象者の49.1%にとどまっている。

FDAが「改良型」と呼ぶ2価ワクチンは、従来株とオミクロン株のどの派生型にも対応するものとなることを目指したものだ。ファイザーは2価ワクチン接種後に起こりうる副反応として、関節痛、倦怠感、その他のアレルギー反応などを挙げている。

forbes.com 原文

編集=木内涼子

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