プライベートジェットでお金持ちは何を食べてるのか?

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飛行機でおいしいものにありつくのは簡単なことではない。キッチンがないという明らかな欠点があるにもかかわらず、ほとんどの航空会社はおそろしく退屈でとても食べられるものとは思えない、ひどく「調理された」料理で良しとしている。

もちろん、飛行機にはプライベートジェットもある。

プライベートジェットは、機体は小さいものの、空の上で美味しいものを食べることができる唯一の方法のようだ。ここ数年、機内でカーディ・Bはカニの足をほおばり、カニエ・ウェストはチックフィレイを食べまくり、ドウェイン(ザ・ロック)ジョンソンは乗務員からの贈り物である巨大な手作りバースデーケーキをインスタグラムで公開しているのを目にしてきた。

セレブニュースなどを扱うサイト「Page Six」の情報によると、ディディとファレル・ウィリアムスは2014年にニューヨークのレストラン「デリカテッセン」に35人分の機内食を注文したことさえある。サーモンのフライパン焼き、ケールのサラダ、マグロのタルタルソースがけ、エビとカニのケーキなどだ。

VistaJet(ビスタジェット)のプライベートダイニング担当副社長ディエゴ・サビノは、このような動きは今や一般的になってきているという。

「私たちの仕事の本質は、世界中の細かなリクエストに対応することだ。当社は空の上で楽しむプライベートダイニングのあり方を変えている」とサビノは話す。

VistaJetは現在、世界中の7000を超える信頼できるサプライヤーと協力しとびきり新鮮で最高品質の食材や料理を調達しているが、多くの顧客は搭乗前に具体的な要望を心の中に持っている。

「世界中を旅して蓄積されたお気に入りのレストラン、あるいは懐かしさを呼び起こす故郷のレストランなど、当社の顧客は往々にしてお気に入りの店を持っている」とサビノは続ける。

乗客7人のフライトで、全員がイタリア・ナポリのポルト地区にある小さな老舗のピザを切望したときのことはサビノの記憶に強く残っている出来事の1つだ。

「ピザは簡単に手に入る食事のように思えるかもしれないが、彼らにとってはその店のピザは他のものとは違う。生地に使う水からトマトのコクまで、あるいは1870年から家族で経営していることなど、すべての要素によって彼らにとって特別なピザとなっている」とサビノはいう。
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翻訳=溝口慈子

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