経済・社会

2022.11.18 15:30

「世代交代のとき」がきた、女性初の米下院民主党トップが退任表明

ナンシー・ペロシ議員(Photo by Anna Moneymaker/Getty Images)

ナンシー・ペロシ議員(Photo by Anna Moneymaker/Getty Images)

2007年に米議会下院で女性初の議長となり、歴史にその名を残したナンシー・ペロシ議員(カリフォルニア州選出)が、新たな世代の議員たちに道を譲る意向を表明した。
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82歳のペロシ議長は議会で17日、「(来年からの)次の議会で、民主党トップとしての再選を目指すことはない」と発言。「私が深い敬意を払う民主党の議員団を、新たな世代が率いるときがきた」と語った。

さらに議長は、約15分にわたった演説のなかで、「私たちはいま、ここまで私たちを前進させてきた理念に根差し、未来のための新たな可能性を受け入れ、未来に向かって大胆に前進しなければならない」と訴えた。

また、議長は自身が1987年に初めて下院議員となって以来、民主党が「より多くの女性、有色人種、LBGTQのメンバーを迎えてきた」ことを称賛。「民主党の女性議員はわずか12人だった。現在は90人を超えたが、さらに増えてほしい」と付け加えている。
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そのほか、下院議長としてジョージ・W・ブッシュ、バラク・オバマ、ジョー・バイデンの「3人の大統領とともに働く機会に恵まれた」と述べ、その間に民主党が成し遂げてきたことについて説明。遠回しに、ドナルド・トランプ前大統領を皮肉った。

民主党の党幹部たち、バイデン大統領や上院民主党トップのチャック・シューマー院内総務(ニューヨーク州)などは、ペロシ議長の続投を望んでいると伝えられていた。

だが、2007年に初めて下院民主党のトップとなったペロシ議長は、下院議長としての再選を目指した2018年、選出された場合には、それが自身にとっての最後の任期になると明言していた。議長は今後も議員としての活動を続け、「サンフランシスコの人々のために発言していく」という。

長年にわたって下院民主党のナンバー2、ナンバー3としてペロシ議長とともに議員団を率いてきたステニー・ホイヤー院内総務(メリーランド州)とジム・クライバーン院内幹事(サウスカロライナ州)もまた、退任の意向を明らかにしている(いずれも議員の職にはとどまる考え)。

政治家たちの多くは、ペロシ議長はいまこの時点で退任を表明することにより、比較的高い評価を得たまま、その職を去ることになるとの見方を示している。

後任は誰に?


ペロシ議長の後任の候補には、ハキーム・ジェフリーズ議員(ニューヨーク州)の名前が挙がっている。選出されれば連邦議会で初めて、黒人議員が民主党を率いることになる。ほかに有力な候補はいないとされているが、ジェフリーズ議員は、立候補するかどうかについて、考えを明らかにしていない。

先ごろ行われた中間選挙では、共和党が圧勝する「赤い波」が起きるとされていた。だが、民主党は予想を上回る善戦を展開。下院では435議席中、これまでに少なくとも211議席を獲得しており、多数派となった共和党との議席数の差は、1桁台にとどまっている。

来年1月に争われる予定の次期下院議長選では、共和党が15日に候補に選んだケビン・マッカーシー院内総務(カリフォルニア州)が選出される見通しだ。

forbes.com 原文

編集=木内涼子

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