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2022.11.14 14:25

公立病院の9割が財政ピンチ 経営強化プランの策定が急務

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地方自治体が運営する公立病院の87パーセントは、コロナ補助金がないと赤字経営になることがわかった。補助金がなくても黒字でやっていける病院はわずか13パーセント。そうした深刻な地方医療体制を立て直そうと、総務省が公立病院に求めている経営強化プランの策定も、未定が28パーセント、2023年度末までに計画している病院が合計で47パーセント、つまり75パーセントが手つかずの状態だ。

これは、公立病院の経営強化プラン策定を支援する企業メディカル・データ・ビジョンが全国の公立病院に対して実施したアンケートの結果だ。10月31日までに112院から回答があった。



経営強化プランの策定に関する質問は、病院の再編、建て替え、経営形態の見直しのいずれかひとつでも考えているか、との問に「はい」と答えた病院に対して尋ねたものだが、その「はい」の割合は42パーセント。つまり半数以上の公立病院は改革を考えていないことになる。

公立病院が赤字になる原因にはさまざまな要因があるが、病院経営の専門家がいないためだとする声がよく聞かれる。病院の再編、建て替え、経営形態の見直しは、「いずれも担当者に豊富な知識や経験が求められるもので、長期間にわたって取り組む必要があります」と、総務省経営・財務マネジメント強化事業アドバイザーを務める、あすの監査法人パートナーで公認会計士の山岡輝之氏は話している。経営強化プランの策定に2年もかかる場合もあるとのこと。プラン策定の着手が急がれる。

文 = 金井哲夫

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