今回KDDIが開発したのは、XR技術による視覚情報を交えた解説やビデオ通話ができるシステム「auビジュアルガイド リアルタイム」だ。
同社はすでにスマートグラスで解説を行う「auビジュアルガイド」サービスを博物館や美術館に提供しているが、これに新たにビデオ通話機能を追加して、遠隔から人によるガイドを行えるようにしたものとなる。観光地などで、利用者が眺めている物を遠隔地の観光ガイドが把握し、その場で観光案内ができる。つまり、「生身」のツアーガイドと一緒に歩いているのと同じ、自然なコミュニケーションで観光が楽しめるというわけだ。また、通訳がいない観光地で、遠隔から外国人の案内をするといった使い道も考えられている。
現在、これを使った観光ガイドの実証実験が、兵庫県の城崎温泉にて全但バスと共同で行われている。そこでは、城崎温泉を熟知した全但バスのプロデュースによるツアーガイドや、七つの外湯、四所神社、ロープウェイ、城崎文芸館など城崎温泉街の10の観光スポットの映像コンテンツが見られるほか、全但バスのバスガイドによる遠隔観光案内も体験できる。バスガイドが散策に同行し、リアルタイムでの会話やおすすめ情報の提供などをしてくれるということだ。
全但バスが運営する城崎温泉総合案内所「SOZORO」で、スマートグラスとスマートフォンが貸し出されている。利用料金は1人1時間500円。実験期間は11月23日まで。
またKDDIは、据え置き型の「auビジュアルガイド スポット」の提供も開始した。これは美術館などに置かれ、その場でスマートグラスを着用してガイドを見るというものだ。現在は東京国立博物館で開催中の「150年後の国宝展」に設置されているので、試してみたい方はどうぞ。