「情緒不安定、不安、神経過敏、怒り、気分の落ち込み」などを特徴とする「神経症的傾向」は、パンデミックの初期に全体的にわずかに低下して以降、中高年以上の年齢層では大幅な変化がみられなかった。だが、若年層では上昇していた。
生活の変化が影響
2021~22年にみられたこうした性格特性の変化は、日常生活における変化が積み重なったことの影響だとみられている。結果について研究チームは、次のように説明している。
「パンデミックにより、神経症的傾向が薄れたという“効果”が一部にあったものの、その他の4つの特性についてのスコアも有意に低下していた。重要な点は、結果にみられる年齢差だ」
さらにチームは、「開放性」と「協調性」のスコアが大幅に低下していたことについて、パンデミックが(特に2021~22年にかけて)引き起こした社会的大混乱の影響だろうと指摘している。
「パンデミックで先行き不透明な状況が続き、特にその状況が2年目に入ったこと、移動が制限されていたことが、個人の活動の幅や世界に対する見方を狭めることにつながったと考えられる」
「さらに、コンサート会場や美術館、劇場などが閉鎖されていたことにより、芸術に接する機会が減少し、芸術や芸術を体験することへの関心が低下した可能性がある」
「そのほか、コミュニケーションやエンターテインメントがオンラインを通じた形態に移行し、SNSにも依存するようになったことで、新たな考え方に触れる機会も減少していたと考えられる」
(forbes.com 原文)