ポーランドは今夏、88億ドル相当の取引で韓国から戦車や自走砲、攻撃機を購入することに合意した。両国は先週、ロケットランチャーについても36億ドルの契約に合意した。トルコ以外のNATO加盟国が、主要な兵器システムを同盟国以外から調達するのは初めてのことだ。
韓国は北朝鮮から自国を守るために築きあげた武器産業の輸出を伸ばし、世界の武器市場で存在感を高めている。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)のデータによると、韓国の武器輸出額は2000年に世界31位だったが、2017年から2021年までの期間に8位まで上昇した。
韓国は、今年これまでに170億ドル(約2.5兆円)の武器輸出契約を結んでおり、その額は2021年の70億ドルを上回った。5月に就任したユン・ソクヨル大統領は先月、世界の武器販売の主要4カ国の一つになるという目標を掲げた。ロシアのウクライナ侵攻や中国の南シナ海での領有権主張などの緊張が続く中、韓国にはあらゆるチャンスが広がっている。
SIPRIのSiemon Wezemanは、フォーブスの取材に「今は武器生産者にとってはゴールドラッシュの時期だ。韓国は時代にふさわしい技術を持っている」と述べている。
欧州諸国がロシアの脅威に対抗するために防衛費を増やす中、米国の武器メーカーは、サプライチェーンの混乱や労働力不足の問題に直面している。韓国の武器メーカーは、米軍との共同作戦用に設計されたシステムでこのギャップを埋めることが可能だ。
韓国の武器産業の強みは、価格の安さと納入スピードの早さで、この分野には「ハンファディフェンス」や、「韓国航空宇宙産業」「現代ロテム」などのメーカーがある。
米国のロッキード・マーチンは、ポーランドからのロケットシステムの発注増の要請に応じられなかった。彼らに代わり、ポーランドからの受注を獲得したのが、ハンファ製の多連装ロケットの「Chunmoo」だった。