しかし、2022年になると、そのような時代は過去のものになりつつある。メタとアルファベットの両社は、上場以来最も冴えない四半期収益を報告したばかりで、広告主のデジタルメディアへの広告予算は今も全体の3分の2以上を占めているが、一時期の2大巨頭の優位性は損なわれている。
その理由はいくつかある。アマゾンが広告に注力するようになったことや、TikTokが彼らの収益を奪っていること、さらに、メディア大手が支援するストリーミングなど、他のデジタル広告の機会が急増したことだ。
メタの 2022年第3四半期の売上高は277億ドル(約4兆円)で、2四半期連続の減収だった。さらに不吉なことに、同社は第4四半期も減収を見込んでいる。この決算報告により、メタの株価は約4年ぶりの低水準に転落し、2021年6月に1兆ドルに達した時価総額は、現在は約2500億ドルに減少した。
株価の急落は、フェイスブックが社名を「メタ・プラットフォームズ」に変更してから1周年のタイミングと重なった。同社のメタバースを統括する部門のリアリティラボは、2022年の最初の9ヶ月間で94億ドルの損失を出し、来年はさらに大きな損失を予想している。それでも、メタの創業者のマーク・ザッカーバーグは、メタバースが最優先事項であることに変わりはないと述べている。
メタの最大の収益源は広告だが、今期の同社の広告収入は前年同期比で3.7%減少した。経済の低迷に加え、同社はアップルのプライバシーポリシーの変更による打撃を受けている。この変更で、アプリ間でユーザーを追跡することが難しくなり、年間100億ドルの収益が失われるとメタは試算した。