今回製品化されたビーズ型調湿材は、目標湿度が50パーセント、70パーセント、90パーセント(いずれも相対湿度)の3種類。湿度を調整したい密閉容器の容積に応じて粒の大きさを選んで使う仕組みになっている。研究機関などでは、3種類の湿度で何かの実験をする場合、湿度を調整する装置を3台用意するか、1台しかない場合は湿度を変えて3回行うといった手間がかかる。この調湿材を使えば、密閉容器を3つ用意してこれを入れるだけで済むため、簡略化、時間短縮、コストダウンが実現する。
今後は、工芸品、嗜好品、食品などの品質保持を前提とした保管や輸送など、幅広い用途での活用を見込んだ「最適湿度管理」の市場開拓と事業拡大を加速するとシャープでは話している。一般販売してくれたなら、家庭でも湿度に敏感なものの保管や料理などに重宝しそうだ。