2週間前の10月4日に開催された投資家向け説明会で、ハズブロは、第3四半期が当初の予測を下回ることを示唆していた。しかし、いざ決算が発表されると、パンデミック下に好調なカテゴリーだった玩具が、インフレによって売り上げを落とすのではないかとの懸念が浮上した。
コックスCEOは18日の決算発表で、「時の経過につれて、平均的な消費者はますます価格に敏感になり、それが店頭での販売動向に影響を及ぼしている」と述べた。
コックスCEOは、ホリデーシーズンに入って以降は、割引や販売促進策がますます重要になるとみている。
第3四半期の純売上高は16億8000万ドルで、前年同期比15%減。為替変動の影響を除くと同12%減となった。調整後利益は1.42ドルで、ウォール街のコンセンサス予想の1.53ドルを下回った。
コックスCEOと経営陣は、10月4日の投資家向け説明会で、ハズブロが9カ月にわたる戦略の見直しを実施し、その結果、新たな成長計画「ブループリント2.0」が策定されたことを明らかにした。
コックスCEOはこの説明会で、ブループリント2.0は、ハズブロの基本的なビジネス戦略における「これまでで最大の変化」だと述べた。
新しいブループリント(青写真)は、ボトムライン(最終利益)の成長を優先し、ハズブロの注力を、より少数の、より大きく、より収益性の高い玩具ブランドに移す一方で、より小さく収益性の低いブランドを、他の玩具メーカーが製造・販売するライセンス資産に転換するというものだ。
ハズブロが今後注力する予定の大規模ブランドには、「マジック:ザ・ギャザリング(Magic the Gathering)」、「ハズブロ ゲーミング(Hasbro Gaming)」、「ナーフ(Nerf)」、「ダンジョンズ&ドラゴンズ(Dungeons & Dragons)」、「トランスフォーマー(Transformers)」、「ペッパピッグ(Peppa Pig)」、「プレイ・ドー(Play Doh)」が含まれる。
新計画では、2025年末までに、調整後の営業利益を50%成長させることを目標としている。
ハズブロによると、より大きな可能性を秘めた少数のブランドに注力することで、2025年末までに2億5000万~3億ドルのコスト削減を推進できるという。
コックスCEOは18日の決算発表で、「当社経営陣は、第3四半期の業績に満足していない」と述べた。しかし、新たな計画によって「今後数四半期で勢いを増すことができる」としている。
コックスCEOによると、ハズブロは、カードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」用のカード「ブラック・ロータス(Black Lotus)」を25年以上ぶりに再発売するなど、第4四半期の成長を促す期待のリリースを複数控えているという。
また、人気のオンライン単語当てゲーム「ワードル(Wordle)」を題材にした新しいパーティーゲームや、映画「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」の公開とタイアップした玩具ラインも発売される。
2023年には、さらに6本の大作映画と、20本の台本あり・台本なし番組に関連した商品を発売する予定だ。
(forbes.com 原文)