コントロールすることがとても重要なことなのだ。Metaの現在の課題は、コントロールを失ったことに起因している。
Metaは1月、議員たちがプラットフォームのコントロールが強すぎることを懸念したあと、デジタルコイン計画を断念した。過去に最高財務責任者を務めたシェリル・サンドバーグは、サードパーティの開発者アクセスに関する一連のセキュリティ侵害を受けて、その数カ月後に同社を去った。また、AppleによるOSの変更により、iPhoneやiPadでユーザーを追跡したり、広告を販売したりするMetaの能力が損なわれている。
eコマースは、コントロールを取り戻すための道筋のように思われた。しかし今、これらの計画も大幅に縮小されつつある。
The Informationによると、Instagramのスタッフは先週、ショッピングページが最終的になくなり、内部でTab Lite(タブライト)として知られているパーソナライズされていないバージョンと置き換えられると告げられたそうだ。そして、広告収入を駆動するイニシアチブをプッシュするために多くの努力を集中するように指示された。
このニュースは、これ以上ないほど悪いタイミングでもたらされた。Metaは7月、2012年に上場して以来はじめて広告売り上げが下落したことを報告した。第2四半期の売上高は、前年同期291億ドル(約4兆3600億円)に対し、288億ドル(約4兆3200億円)に減少した。1%という控えめな減少幅は取るに足らないように思えるかもしれないが、2021年の28%という成長率と比べるととても厳しいものだ。
もう1つの問題は、Tik Tok(ティックトック)だ。この中国系ソーシャルメディアプラットフォームは、瞬く間にMetaプロパティの強烈な競争相手となった。Tik Tokは2021年、そして2022年の今のところ、最もダウンロードされたモバイルアプリだ。
9月のMeta株は大きな圧力にさらされた。株価は9.4%下落し、2020年以来の安値となる153.13ドル(約2万3000円)を記録した。株価は将来利益の13.3倍、売上高の3.4倍で取引されているだけだが、投資家はさらなる下降リスクを心配する必要がある。2020年の安値は137ドル(約2万円)であり、この水準は間違いなく視野に入っている。
また、Metaがeコマースへの意欲を削いでいるため、アナリストは業績予想を抑制する可能性が高い。今後数カ月は、株主にとって荒れ模様となるはずだ。
(forbes.com 原文)