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2022.10.18 16:30

起業後に気づく「ニーズがない」はどうすれば避けられる?|Yuimedi グライムス英美里

代表取締役社長 グライムス英美里(提供=Yuiemdi)

代表取締役社長 グライムス英美里(提供=Yuiemdi)

スタートアップで起こりやすい「失敗あるある」を経営者へインタビューし、その解決策に迫る本シリーズ。今回は、Yuimedi(ユイメディ)の代表取締役社長であるグライムス英美里(グライムスエミリ)に話を聞いた。
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同社が手がけるのは、医療データの「クレンジング」。現場では、さまざまなシステムで情報を管理しているが、データの形式や登録項目が統一されていないことが多い。Yuimediはそれらを自動で標準化し、データ利活用が可能な状態にするソリューションを提供している。

グライムスは、薬剤師試験に合格すると、武田薬品工業の臨床開発職からキャリアをスタート。スイスチューリッヒ工科大学で医学産業薬学のマスターを取得後に、マッキンゼーでの経営コンサルタントを経て起業した。

多くの起業家が直面する「創業後すぐに起こるさまざまな課題」に、グライムスはどのようにアドバイスするのだろうか。
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あるある1:実はニーズがなかった


起業家の多くは、自分が考えたサービスや製品を市場に出すことで多くの人を助けたい、喜ばせたい、という思いを持っている。しかしいざ販売してみると、思ったほどのニーズがなかった、ということも少なくない。

グライムスも「最初、作り始める前に周りに聞いてみると皆が欲しいといってくれた。しかし計画を進めていくなかで、本当にニーズがあるのかに疑問を抱くようになった」と話す。

これは「言われたことを鵜呑みにしてしまうリスク」の典型例である。サービスや製品ができる前のヒアリングで意見を聞くと、多くの人は肯定的な意見を述べる。

「まだできていないもの」に関して否定的な意見は出にくいからだ。逆に「既にあるもの」に関しては、使ってなくても懐疑的な見方が生まれやすいと言われている。そのため、肯定的な意見を鵜呑みにしてニーズがあると思い込んでしまうのだ。

Yuimediがターゲットとするのは医療業界。医療現場で発生している課題を深く知るために対象顧客の業務をヒアリングすることはできても、実際に「やってみる」ことは難しい。するとどうしても業務や課題に対する解像度は粗くなってしまう。

個人情報の保護など経営的な観点については、院長レベルに会って話を聞く必要があるが、謝礼など金銭的なハードルがあり、気軽にヒアリングすることはできなかったという。最後は自身が大学院で研究していた時代を思い出し、自分に問いかけたそうだ。
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文=畠山和也 編集=露原直人

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