ビジネス

2022.10.24

「雑誌はもうダメ」の創刊から100号 社会や世界はどう変わったか

(左から)Forbes JAPAN Web編集長の谷本有香と、リンクタイズ代表取締役CEO 兼 Forbes JAPAN Founderの高野真


ミクロ視点でいうと、2014年はスタートアップがあちこちから出てきたころでした。でも、トレンドとしては少ししか目に見えていなかった。Forbes JAPANは起業家にたまたまフォーカスを当てましたが、その当時は注目している人はほとんどいなかったと思います。

現在は、政府もスタートアップにフォーカスしているじゃないですか。そして、Forbes JAPANもビジネス的に好調です。それは雑誌としてのブランドが立ってきたというよりは、本格的にイノベーションやスタートアップが日本経済の中で認められるようになったから。この潮流は今後もっとパワフルになっていくと思います。

これからは「個の時代」に


谷本:これからの新しい時代において、Forbes JAPANはどのように起業家たちを応援していくべきだと思いますか。

高野:起業家たちをグローバルにリンゲージしていくことだと思います。具体的には、我々が制作するランキングを、さらに“ちゃんとしていく”こと。特にプロセスが重要です。推薦人が真剣に選び、選出者も真剣に選ばれる、そんなプロセスがあれば必ず「そこに出たい」と言う人は増えるでしょう。

そうすれば選出者が「選ばれた」という勲章を持って海外に行ったときにも間違いなく評価されるはずです。



谷本:最後に、新たな価値を生み出そうとしているビジネスパーソンに向けて、今後の日本経済や世界経済を牽引していく人になるためのヒントをお願いします。

高野:これからは「個の時代」になると思います。そういう人たちを創出できる環境にするためには、雇用の流動化は本当に重要です。

僕の会社員時代は、会社に入ったら終身雇用が前提で、経験値やナレッジの積み重ねが重視されるから、仕事内容は先輩に聞かないとわからなかった。つまり、部長や課長、主任に対して、入社1年目は絶対に敵わないということです。

ところが、現在はナレッジがどんどん変わっています。ついこの間までICTと言っていたのが、NFTでさえも古くなってきて、Web3やメタバースになっている。さらに今はDAOですよ。

つまり、今までのナレッジは役に立たなくなり、部長・課長・主任といったヒエラルキーがパラレルになるわけです。そして、「いっせーのせ」でできた人が勝つ。必ずしもシニアにとって厳しい状況になるわけではないですが、少なくとも今まで割りを食っていた若者にとったら、非常にチャンスが増えると思います。

聞き手=谷本有香 文=堤美佳子 編集=田中友梨 撮影=山田大輔

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