IoT×ブロックチェーン、サムスンが新IoTセキュリティプラットフォーム発表

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Knox Matrix(ノックス・マトリックス)


サムスンのKnox Matrixは、個人のデバイスのエコシステム内にプライベートブロックチェーンを実現する。サムスンによれば、ユーザーの接続機器が、多層的な相互監視によってセキュリティ強化が行われるという。Knox Matrixは、OSには関係なく信頼できるデバイスのチェーンを作る。エコシステム内のデバイスが多ければ多いほど、より安全となり、信頼のチェーンも多くなる。サムスンによると、Knox Matrixは、初期段階ではサムスン製デバイス専用だが、最終的には開発者用SDKを通して他のメーカー製品にも対応する予定だという。

最近、フィンテック世界にブロックチェーン技術が爆発的に普及しているが、ブロックチェーンに関する詐欺の数は、実際の使用例や革新的なソリューションの数よりも多い。いうまでもなく、フィンテックや暗号資産の中には、まだ世の中を変えていないすばらしい技術がたくさん隠れている。サムスンは、IoTにおけるセキュリティの必要性に応えるため、ブロックチェーンを使った現実的なユースケースを実現したのだろう。

ブロックチェーン技術の固有の性質が提供する最高の価値は、Knox Matrixに接続するデバイスが増えれば増えるほど、エコシステムの安全性が高まることだ。IoT領域は今後10年間でさらに拡大すると予測されており、Knox Matrixも当然、それに合わせてスケールアップして行く。

また、Knox Matrixは、信頼できるデバイス間で脅威を相互に監視することでセキュリティを強化する。Knox Matrix内のすべてのデバイスが、エコシステム内の他のデバイスから責任を持たれるのだ。また、デバイス間で認証情報を共有することで機密情報が保護される。データ(機密情報)をブロックチェーン上に保存する方法が安全かつ分散型であるため、ログインや決済処理をより便利に行うことができる。

まとめ


自宅の冷蔵庫からパソコンにアクセスされたために、銀行の認証情報にアクセスされる可能性があると想像してみるのは興味深い。IoTデバイスは今後も普及するし、家庭内でも増えていくはずだ。

サムスンは、プライベートブロックチェーンを通じてデバイスのエコシステムを保護するKnox Matrixを使って、IoTに内在するセキュリティ不足に対処する。Knox Matrixの最大の特長は、コネクテッドエコシステムに追加されるデバイスが増えるほど、より良く、より安全になることだ。

注:ムーア・インサイツ&ストラテジーのアナリストであるジェイコブ・フレイマン氏がこの記事に協力している。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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