さて、フォーミュラEの東京開催を考えると、気になるのはどこがコースになるのか、ということだ。4日の協定では「東京ビッグサイト周辺」とのみ示されているが、これについてあらためて問われた小池都知事は、「ルートについては各方面と調整を進めている」と、状況を説明した。正直なところ、ビッグサイトは良いけど、東京タワーなどの東京の名所がコースの周りに位置しないので、映像的にはどうかなと思うのは、僕だけだろうか。
コースのレイアウトや、これから開催までのスケジュールについて、ライグルCEOは「通常ならば2023年7月に日程の発表となるだろう。コースの設定はFIAの承認、そして確実に安全に開催できるという確証をとらなければならないので、まだかなり時間がかかるだろう。今日はまず、すべてのはじまりなので」と答えた。
また、同じ4日の夜に、横浜の某所では、ルノー傘下アルピーヌの最高峰モデル「A110R」のワールドプレミアがあった。ライトウエイトスポーツの筆頭、アルピーヌA110シリーズに新たなラインナップ「A110R」が追加され、その発表がここ日本で行われた。
「あまり知られてないことかもしれないが、日本におけるアルピーヌのディーラー数は現在19店舗まで増加した」と、同社CEOのロラン・ロッシ氏は言う。これは世界でも2番目に多い数。アルピーヌにとって、日本でのワールドプレミアは今回が初だ。いかに日本市場を大切にしているかがよくわかる。
ここで、F1との関連性が強く出たのは、アルピーヌF1チームのオコン選手の登場だった。A110Rの魅力について、同選手が熱く語った。また、ロッシCEOが、「同F1チームは、F1をはじめとするモータースポーツで培ったノウハウを最大限にフィードバックし、サーキットからワインディングまで刺激的な走りを楽しめるクルマに仕上げた」と話した。 F1マシンからの技術が最もフィードバックされたのは、A110Rに採用されたエアロダイナミクスだろう。
やはり、富士スピードウェイホテルの開業にしても、フォーミュラーEの日本開催の発表そして、アルピーヌの新車種の発表にしても、先週は世界の車好きやモータースポーツのファンの目が日本に向けられていたので、その全てを同じタイミングで発表したことで、相乗効果が上がり抜群の宣伝になったのは間違いない。
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