テクノロジー

2022.10.07 10:00

患者による病院予約のすっぽかしを予測するマイクロソフトの最新AIツール

安井克至
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マイクロソフトのツールは、堅牢なCloud for Healthcare(クラウド・フォー・ヘルスケア)プラットフォームに組み込まれ、習得が容易である。デビッドソンはいう「このモデルは簡単に導入でき、わずか2時間以内でトレーニングを行うことができるので、医療従事者は1日でこのソリューションを使えるようになります。このことは、臨床医と患者の双方にメリットをもたらします。ユーザーフレンドリーで使い慣れたインターフェースにより、事務員や臨床医は、データサイエンスのトレーニングや専任スタッフを必要とせずに、患者のノーショウ(予約の無断不履行)を予測することができます」

デビッドソンはさらに以下のように説明する。「ヘルスケア領域では、さまざまな種類の入力データが、予約のすっぽかしを予測する上で重要であることがわかっています。性別や年齢層、過去のパターン、社会的決定要因、タイプや時間帯などの予約データが、医療チームがモデルを訓練するために使用できる入力例です」このソフトウェアの背後にある複雑な仕組みについては、マイクロソフトによって詳しく説明されているが、同時に「モデルは事前にトレーニングされていないので、医療機関のユーザーによるトレーニングが必要になります」と強調されている。

注目すべきは、このツールが役立つ可能性があるのは、単に外来の診療科や外来患者に対してだけではないことだ。このソフトウェアはやがて、救急科から入院患者まで、ほぼすべての臨床場面で重要な役割を果たすことになるだろう。

このAIエンジンの可能性を完全に発揮させるには、さらなる研究とテストが必要だと思われるものの、データと客観的な指標を利用して臨床成果を向上させるという点では、このコンセプトはとても有望なのだ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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